国語の教員でしたが、アメリカで子育てをして、日本に帰国しました。

高校の国語科教員を退職し、長女が1歳の時に渡米し、2022年に帰国しました。3人目も無事出産しました。

はてなブログ特設サイトに掲載していただきました

最近バイオリン関係の記事ばかりです。

 

前回、はてなブログの「特別お題キャンペーン」に投稿するTwoSet Violin の紹介記事を書きましたが、このたびめでたく特設サイトのピックアップ記事に採用していただきました!

といっても、200近くある記事の一つにすぎないのですが…。10300字書いた努力が報われた思いです。

この特設サイトに掲載されているブログに、新しくなった「スター」をつけると、5名様にオリジナルTシャツが当たるそうなので、よかったらぜひ、お気に入りの記事があったら押してみてくださいね(もちろん私の記事に押していただけるととっても嬉しいです)。確かに「スター」が丸くなって新しくなっています。スターをクリックすると、ブログに直接飛べるようになったようです。

■特設サイト↓

blog.hatenablog.com

 

特設サイトで、私の記事は上から13番目の右側に出てくるかと思います(ブラウザによって違うかもしれません)。一番上の右側に掲載されている星野源さん推しの記事が、内容的にもスターの数的にも光り輝いていますが、星野源さんファンの方の手がほんの少しすべって私の記事をクリックしてしまい、Brettの良さに気づいてくれるんじゃないか…なんていうことを夢想しています。(星野さんとBrett、系統的にちょっと似てないですか?すみません、炎上は望んでいないです…星野さんファンは、あの全体的な雰囲気とマルチな才能に惹かれるんですよね…!)でもこれがきっかけで、TwoSetの存在に少しでも多くの人が気づいてくれたらいいな、と思っています。

 

ところで、三浦文彰さんとTwoSetが共演していたことに最近気付いた動画です↓

何で今まで観ていなかったんだろう???Eddy と同い年で、「Fumi」て呼んでて、なんか三浦さんもリラックスして素が出てる感じがしますね。NHKの大河「真田丸」テーマ曲のソロバイオリンを弾いていたのは三浦さん。


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【TwoSet Violin】の魅力を語ります。

はじめに

はてなブログの「特別お題キャンペーン」に今回、初参加してみたいと思います。今回の特別お題は、「わたしの推し 」なんです。

このキャンペーンに投稿することで、TwoSet Violin(トゥーセット・バイオリン, 以下TwoSet)がより多くの人の目に留まるようになるのではないか、と考えました。私はこの記事で、10000字を費やし、自分の持てる筆舌の限りを尽くして、TwoSetを推しまくりたいと思います。

 

 

TwoSet Violinとは?

www.twosetviolin.com

公式HPをクリックすると、二人の男性の写真が出てきます。一人は黒縁メガネのBrett(ブレット)。もう一人の金縁メガネの方はEddy(エディ)。これが、TwoSet Violin の二人です。

 

…はっきり言ってぱっと見、イケてない、非モテ系のアラサー男子2名です。

今日はこの、どちらかというともっさりとした印象の二人を、「はあ〜〜もうカッコ良い!ホント、大好き!!」とどうしようもなく思ってしまうようになった経緯を書き、読み終わる頃には皆さんにもTwoSet のことが大好きになってもらえればと思っています。

 

何をする人達なの?

TwoSet Violin とは、台湾系オーストラリア人のバイオリニスト2人組ユーチューバーで、番組はほぼ全編オーストラリア英語です(たまに北京語や日本語を始め様々な国の言葉を話しています)。彼らは、クラシック音楽とお笑いを融合させた自虐的な動画を作成、投稿して世界中から共感を集め、クラシックや音楽に興味のない若者もファンに取り込み今なお成長中。2022年1月現在でチャンネル登録者数346万人にのぼり、クラシックジャンルのチャンネルとしては他に類を見ません。バイオリニストでもあり、お笑い芸人(コメディアン)でもある二人。バイオリンは1挺(丁)・2挺と数えるので、言ってみればクラシック界の「ニ丁拳銃」ならぬ「ニ丁バイオリン」です。

 

「ユーチューバー」というと、何となく軽い感じがしますが、二人とも音大を出てオーストラリア内各地のプロオーケストラで弾いていた、プロのバイオリニストです。しかしそう書くとどうも堅苦しい感じがしますが、動画は基本ふざけています。喋っているところだけ見ると、「普通のそこらへんにいるお兄さん」なんです。いや、普通以上に「おバカ」への振り切れ方がすごい、変なお兄さん達なんです。ストラヴィンスキーの「春の祭典」バレエを街中で踊る(?)動画↓

■「春の祭典」があなたを支配する時


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「バイオリニスト」というと、何だか近寄り難かったり、お上品で物腰が優雅なイメージがありますが、この二人は全く違っていて、動画では基本的にいつも二人でふざけて大爆笑しています。おバカなことをやるし、ちょっと下品なことも言うし、全然上手く弾けないところも隠さず見せちゃう、男子高校生がそのまま大人になったみたいなノリの二人です。

 

ただ、他と違うのは、二人はバイオリンとクラシック音楽が大好きだということです。若者がポップスやロック、R&Bに夢中になるのと同じように、車のラジオでお気に入りの曲がかかるとこうなります。↓

■車の中で神曲がかかった時


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そして、いつも「今日練習した?」「あー練習しなきゃ!」「練習してね!」と、視聴者と同じ目線で語りかけてくれるんです。合言葉は「Practice!(練習してね!)」。だから、彼らの視聴者の中には、昔やっていた楽器を引っ張り出してきたとか、今までやったことがなかったバイオリンを始めてみたという人達が、世界中で続出しているんです。

 

そして、彼らもまた視聴者から「Practice!」と言われる立場にあることを自覚しています。決して完璧ではない自分たちの演奏を、隠さずズルせず、自分たちで責任を引き受けているのです。全く練習していない曲を初見で弾いてみて臨時記号で間違えたりとか、15分で練習して弾いてみる、というのもあります。でもそういうのを笑いに変えてしまって、お互い大爆笑しているのが、何だか観ていて救われるのです。

■バイオリンデュエット初見の無理ゲー挑戦


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ちなみに、日本で人気がイマイチなのは、英語コンテンツだということも一因としてあると思うのですが、今はYouTubeで日本語訳が自動生成できるようになったので、敷居も低くなったのではないでしょうか。(ぜひ設定してみてください)

 

かくいう私も英語が本当に苦手で、それまで海外ドラマも洋画も全く興味がありませんでした。しかし、一身上の都合でアメリカで生活することになり、勉強のために何か英語のものを見ようとしたのですが、長続きしなかったのです。TwoSetは、そんな自分の英語の勉強のためと、子どもの習い事に役立つのではないかと見始めて、「何この人たち!?」と出てくる動画を次々と観てしまい、気がついたらどっぷりと沼にハマっていました。(そして私も、ついでに子どもも「練習」するようになりました!)

 

メンバーの二人

TwoSetは二人組ですが、とても対照的で、それでも仲が良くて、二人でやいのやいの言っているのを見ているだけで何だか幸せな気持ちになる不思議な人達です。以下、私なりの二人の萌えポイントです。

 

Eddy Chen(エディ・チェン)以下「Eddy」と表記

  • TwoSetの背が高い方(178cm)
  • 手が大きくて指が長い
  • 相方より1歳年下
  • サブカル好きでミーハー
  • Kpopや日本のアニメが大好き
  • テクニカルな曲を得意とする
  • なんか乙女なところがある
  • イケメン担当
  • 論理的で何事にもバランスが良い
  • お調子者キャラ
  • コントではムカつくタイプのボケ役
  • コントではキレるタイプのツッコミ
  • ゴ○ブリが大の苦手
  • 絶対音感(perfect pitch)を持っている

Brett Yang(ブレット・ヤン)以下「Brett」と表記

  • タレ目で黒縁メガネがトレードマーク
  • 小柄(といっても170cm)で、手が小さめなのがコンプレックス
  • 手が綺麗(白くてツヤツヤでずっと見ていられる)
  • 声が低音で心地良い
  • 相方より背が低いけど1歳年上
  • ポップスには全く興味がない
  • 日本のアニメや漫画が大好き
  • 音楽面では職人のように的確な仕事をする
  • 情緒的な曲が得意
  • 音が綺麗
  • バイオリンのこと以外では基本ポンコツ
  • コントでは天然ぽいボケ役
  • コントでは無言で無表情のツッコミ
  • 笑顔がかわいい
  • ゆるキャラ
  • 天才肌の狂気
  • オーストラリアで開催されたG20サミットで、オバマ前大統領や安倍元首相など各国の代表を前に演奏した経験があり、将来を嘱望されていたバイオリニストだったという過去がある(「どこで間違ったのかな〜」「I had dreams….」というのが持ちネタ)

 

はい、私はどちらかというとBrett推しなので、少し偏りがあるかと思います。

 

年下のEddyの方が背が高くてしっかりしていて、年上のBrettが基本ポンコツなので、クラシック界の「中川家」といえるかもしれません。また、ボケ・ツッコミが固定していないので、クラシック界の「笑い飯」ともいえるでしょう。二人ツッコミ、二人ボケになることも多々あります。また、二人は中学生の時に数学の塾で隣同士になって知り合い、その後同じユースオーケストラにいたことを知った、という運命の出会いからずっと親友でいるのですが(音大も同じ)、そういった意味ではクラシック界の「サンドウィッチマン」ともいえます。芸風は相方愛に溢れており、相手のミスなどを茶化すことはあっても、基本褒め合っているので、クラシック界の「おぎやはぎ」と言っていいでしょう。(1年半ほど前にEddyもメガネになりました)

 

この、個性の全く異なる二人が、クラシック音楽演奏家を題材にしたコントをしたり、ゲームをして得点を競ったり、モノマネをしたり、リアクションしたり、様々な楽器に挑戦したり、視聴者からの投稿にコメントしたり、料理を作ったり、他ジャンルのユーチューバーとコラボしたり、ただふざけていたり、大爆笑しているだけだったり、たまに真面目にバイオリンを弾いたりする膨大な数の動画を8年間も作っているのです。初期はプロのオーケストラに所属しながら動画作りをしていました。

 

オススメ動画

オススメはいろいろありますが、音楽経験者には「あるある」動画がオススメです。その中でも私が最初に観た記念すべき動画はこれです。↓世界中のプロ、アマ問わず、みんな同じこと考えて演奏しているんだな〜というのに何だか感動したのを覚えています。

■13の大作曲家と演奏している時の気分


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それから、これは私の娘がお気に入りの動画です。↓この動画では、ただでさえ難曲のデュオ曲、サラサーテ「ナヴァラ」を、大人用のフルサイズから始めて徐々に子ども用の楽器に小さくして演奏していき、最後は3歳児用のサイズを弾きます。普通のプロバイオリニストがこういうことにチャレンジすると、どんなに楽器が小さくてもきちんと音程を取って見事に演奏しようとするし、そういう動画は多いのですが、この二人は息はピッタリなものの、全然弾けていなくて、爆笑しながら楽しそうに弾いているのです。そこが大好き!

■分数バイオリンで演奏


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一方で、彼らはただ速く弾くだけとか、踊りながら弾いて当て振り(楽器の口パクにあたる)をしているとか、「音楽」をしていないイカサマ音楽家が大嫌いで、そういう人物を見つけてきてはレビューをし、厳しいツッコミを入れます。(この手の動画も膨大にあるので代表的なものを一つだけご紹介。ここからこの番組の名言「Sacrilegious! 」が誕生しました。元々は「神聖な」という意味の単語ですが、「何だか胡散臭くて怪しげな」という意味で番組内で使われるようになりました)

■世界一速い(そして最も不正確な)バイオリニスト


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また、ドラマや映画でバイオリンが雑に扱われていると、それにもことごとくリアクション動画を作り、厳しくつっこみます。彼らが言いたいのは、「バイオリンを登場させるなら、きちんとプロのアドバイスを受けるなり、ちゃんと弾ける役者を使うべきだ」ということなのです。プロに敬意とお金を払って!と。そんなバイオリン映画へのリアクション動画(これも数多くある)の中でも傑作なのがこれ(10:27から、ボーナス映像として、二人が「実際に出ているであろう音」を映画に当ててくれています。)↓

■今までみた中で一番最低のバイオリン映画


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一方で、才能ある音楽家には、たとえそれがどんなに小さな子どもでもリスペクトを惜しみません。実際、バイオリンはピアノと違い、3歳児からのサイズがあるので、手の大きさのハンデが少なく、どんな難曲でも、弾ける子どもは弾けてしまうのです。世界にはそのような神童(prodigy)がいて、そういう子たちの動画を見つけてきてはリアクション動画を作っています。ただリアクションするだけでなく、自分達でも弾いてみて、その違いや難しさを視聴者にわかりやすく(?)伝えてくれます。日本人prodigy、吉村妃鞠さんへのリアクション動画がこちら↓(ちなみに吉村さんがご自身のInstagramでフォローしているたった6アカウントのうちの1つがTwoSet アカウントでした笑)

■7歳が見せつける時


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バイオリニストとしての顔

普段は「ちゃんと弾けない」という自虐的なネタが多いTwoSet ですが、真面目に弾いたらちゃんと弾けます一応。一つ上の動画で吉村さんが弾いていたのは、この動画の最高レベル12の曲です↓

■バイオリン演奏12レベル


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普段のYouTube動画でも端々から彼らのバイオリニストとしての顔は見えるのですが、それが一番わかりやすく、見る側として興奮したのが、協奏曲のライブストリーミングです。「協奏曲」は、バイオリンの名手がソリストとして、オーケストラをバックに演奏する曲で、複数楽章(基本は3楽章)から成る大曲です。登録者数が100万人増えるごとに行うのが今や恒例となりました。

初めて行われたのが、2019年2月の200万人記念。3楽章通すと40分くらいかかる大曲を、2挺のバイオリンで(相方がバックのオーケストラパートを担当)、しかも楽しそうに弾き切りました。この動画で、バイオリン協奏曲を初めて通して聴いた、という若い人もいたのではないでしょうか。そして、笑顔で時々ふざけながらもスッとスイッチが入る瞬間、緊迫感、躍動感…。それをカメラを通して間近に観て、バイオリンてこんな楽器だったんだ!とびっくりした人が多かったんじゃないかと思うんです。

 

■登録者数200万人記念のライブストリーミング(2019年)

チャイコフスキー/バイオリン協奏曲(ソロ:Brett 伴奏:Eddy)


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そして、これから一年足らずで300万人を達成します。風船持ってるBrett がかわいい。

 

■登録者数300万人記念のライブストリーミング(2020年)

シベリウス/バイオリン協奏曲(ソロ:Eddy 伴奏:Brett)


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実はこのひと月ほど前にBrettが体調を崩してしまい、動画制作を一ヶ月くらい中断していました。そんなこともあって、300万人の時は本当に感動的でした。上の2つの動画はなぜかずっと観ていられる…。

 

コメディとシリアスのバランス

TwoSet の魅力として、コメディ要素とシリアス要素のバランスがあります。彼らは並のプロよりも上の実力者でありながら、プライドを捨てて道化に徹することができ、若者文化にも親しんでいるからこそ、生み出された傑作動画が数多くあります。その中から、私のお気に入りの動画を一つご紹介します。ネット上で世界的に流行したミームである「棺ダンス」をネタにしたものです。原曲をバイオリンアレンジにして、「初心者レベル」→「中級者レベル」→「プロレベル」→「名人レベル」と順に演奏してみせる…というところまではよくありがちな感じがします。しかしそこから(練習中、ソファに楽器を置いて席を外したBrettのバイオリンの上に、ゲームをしに戻ってきたEddyが知らずに腰をおろしてしまい)逝ってしまったバイオリンを収めた楽器ケースを棺に見立てて笑顔で踊る二人。そして最後に全部のアレンジを重ねて聴かせるところに唸らされます。しかも、「プロレベル」のアレンジにはシベリウスの協奏曲が、「名人レベル」のアレンジにはパガニーニが聞こえるようになっているのです。

■バイオリン難易度5レベルで棺ダンス


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ライブへのこだわり

彼らは2017年に、世界で初めてのクラウドファウンディングによるクラシック音楽の世界ツアーを成功させています。YouTubeで人気が出たとはいえ、クラシック界ではまだまだ無名だった二人。足りない資金をキックスターターや路上演奏で集めました。目標金額が集まるまで寝ずに路上演奏する、という無謀とも思える挑戦をし、交代で寝袋に寝て演奏し続けたのです。この時に知っていれば、私もサポートしただろうなあ。私が彼らを見つける前の話です。オーストラリアのシドニー、ピット・ストリートでファンと一緒に弾いて寄付を呼びかける姿は、会いに行けるアイドルです。

■TwoSetキックスターター:世界初クラウドファンディングで資金調達したクラシック音楽のツアー


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彼らはユーチューバーとしての活動をする前はプロのオーケストラに所属するような演奏家でした。テレビやYouTubeなど映像の世界では、口パクや編集など何でもできてしまいますが、そういうことを動画を通じて激しく糾弾するのは、幼少期から、ごまかしのきかないホールでの生演奏のための鍛錬を積んでプロになった人達に対する敬意なのだと思います。そしてもちろん自分達もそうしてきたわけです。だから、やっぱり音響の良いホールで、ステージで演奏したい!自分の音を届けたい!という音楽家としての気持ちはずっと持っていたのだと思います。2020年には、再び世界ツアーが予定されていました…が、パンデミックによって全て白紙になってしまいました。(ついこの間の2021年の年末に、バーチャルで3公演の世界ツアーが行われました!)

 

日本でもっと人気出て!

ところで、2020年に行われる予定だった世界ツアーには日本が含まれていなかったのです。彼らは日本が好きで、たまに日本語を話しているし(「ナニィ?」とか「センパイ」とかだけど…)、プライベートでも動画制作でも、何度か来日しているのですが、ツアーの日程に日本の地名がどこにもないのです。理由はおそらく、「日本では彼らの名前が知られていない」。アジア・オセアニア、ヨーロッパ、北米各地で売り切れが続出した彼らのコンサートが、日本でまだ開かれていないことは本当に残念でなりません。それどころか、日本にとって大きな機会損失です。

 

だから、私はこの記事を書いています。日本の人にも、もっともっと届いてほしい。彼らの活動を知ってほしい。TwoSetを大好きになってほしい。いや、TwoSetのことは嫌いでも、クラシックのことは嫌いにならないでください。でも、TwoSetを好きになったら、絶対にクラシックのことが好きになるはず。クラシックは退屈で、単調で、真面目なものなんかじゃない。劇的で、ロックで、アヴァンギャルドで、エキサイティングなものだっていうことが、届いてほしいのです。そしてそれこそが、彼らの願いなのです。(だから繰り返しストラヴィンスキーを取り上げてるんだと思います。)

 

今の私の生きる意味は、大げさではなくて、彼らです。TwoSetがいたから、彼らの活動があるからこそ、私が日本語でブログを書く意味が生まれたのです。日本で、しがない国語科教員をしていた私が、ひょんなことから英語圏で生活をすることになり、日本語からひき離され、職を失い、生きていくための英語の勉強と自分の趣味と娘の習い事のために見ていた動画について、「日本語で書く」ことの意味を与えてくれたのが、彼らでした。日本で彼らのことをよく知らない人、もっと知りたいと思っている人のために、「日本語で情報を届けたい!」。そういう気持ちにさせてくれたのが、彼らだったのです。

 

私よりもクラシック音楽が好きで、知識も豊富な人はたくさんいると思います。同じように、英語が堪能で、二人が言っていることをそのまま理解できる人も大勢いると思います。でも、ちょっとだけクラシック音楽を知っていて、英語もなんとかギリギリわかって、なおかつ、TwoSetの二人のことが大好きで、もっともっと日本の人に知ってほしい!と思い、持てる時間と日本語力を費やしてブログを書き続けている人は、どうも、この地球上で私くらいしかいないようなのです。(他にこんなブロガーさんがいらっしゃったらぜひお友達になりたいです!)

 

このブログがきっかけでTwoSetを愛してくれるようになった読者の方、このブログにコメントを書くためにわざわざはてなアカウントを作って下さったTwoSetフォロワーの方、そんな方々に出会えたのも、このブログのおかげです。私のクラシック音楽への関心と、英語の必要性、どちらかが欠けていたら、TwoSetには出会っていなかったでしょう。出会っていなければ、この記事も書いていないし、音楽とTwoSet を愛する素敵な読者の方々とも出会えなかったでしょう。

 

それは、いってみれば、彼らと同じなのです。TwoSetよりバイオリンが上手い人なんて、日本国内だけ見てもたくさんいます。もっと面白いことやおバカなことをして人を笑わせる人も、星の数ほどいます。でも、彼らほどバイオリンを弾けるのに、おバカに振り切ることができる人は、これまで地球上に誰もいなかったのです。あそこまで鍛錬を積んで、幼少期から全ての楽しみの時間を練習に注ぎ込んだからこそ出せる音を出しながら、それまでのプライドを全部捨てて自虐と道化にまわれる人なんて、この世にいなかったのです。しかも、本人たちがそれを心から楽しんでやっていることに視聴者は心が救われるのです。元気づけられるのです。そして、「練習しよう!」という気力が湧いてくるのです。

 

今やクラシック界は、彼らを無視することができなくなりました。世界的なトップ若手バイオリン演奏家の登竜門の一つである「ユーディ・メニューイン国際コンクール」も、2021年(本当は2020年に招待されていたもののパンデミックで一年延期)に彼らをコンクールのゲストとして招待し、ジュニアの部決勝進出者へのインタビューを(コンクールの歴史上初めて)行いました。また、創刊130年(!)を誇る老舗弦楽器専門誌「The Strad」の表紙にもなり、インタビューなど特集も組まれました。世界的バイオリニストであり、「神」の一人マキシム・ヴェンゲーロフ氏とコラボしたマスタークラス(上級者に行うレッスンのことで、Brettがレッスンを受けた)動画では、「君と仕事ができて本当に嬉しいよ。君の動画全部観てるよ。」と(リップサービスだろうけれど)言われています。

 

TwoSetは今やクラシック界ではフォロワー数がダントツのインフルエンサーです。TwoSetが「神」と崇めるバイオリニスト達は、フォロワーにとっても「神」になります。ネット上に多くのファンを持つ彼らとコラボレーションすることは、伝統的な演奏の名手にとっては新たなファンの獲得につながるし、TwoSetにとっては「箔」がつく、win-winの関係なのです。クラシック界にとって、テレビ番組やYouTube喝采を浴びるような「アーティスト」ではなく、芸術家としての音楽家にもっと敬意を払い、脚光を浴びるように一般聴衆を「教育」しつづけてくれているTwoSetの活動は、硬直しかけていたクラシックの世界に福音をもたらすものなのでしょう。(動画の後半、憧れのヴェンゲーロフ氏のレッスンを受けるBrettが本当に尊い↓)

■4つのレベルのマスタークラス(ft. マキシム・ヴェンゲーロフ


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■バイオリンの神8


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ここまで読んで下さったあなたは、もう、TwoSetがただガシガシ弾いているだけの動画をもっともっと観たくなってきただろうと思います(ありますよ)。二人がバイオリンも持たずにただ楽しそうに談笑している姿だけでもいいとすら、思えるようにもなったかと思います(たくさんありますよ)。そして、手当たり次第に動画を再生して楽しむ生活が1,2ヶ月続いた後……二人が画面に映っていなくても、関連動画として右側に出てきたバイオリンの名手による演奏を聴くだけで、「あ、これEddyが、Brettが、弾いてた曲だ…!」と心が高鳴るようになることと思います。それが、沼です。

難しいところをガシガシ弾いてるだけの動画↓

■10レベルのバイオリン協奏曲カデンツ


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クラシックは、言葉の通り、「古典」です。長い年月を生き残り、誰もが知っている「元ネタ」、それが古典です。古典は、「誰もが知っている」ことを前提にして現代の私達の前に現れますが、「元ネタ」の知識がないと面白さは半減、というか、半分以下になってしまいます。逆に、少しでも知っていると意味がわかり、意味がわかると面白さがわかるのです。そのためには知識が必要なのです。

 

TwoSetは常々、「クラシック音楽をより多くの人に届け、次の世代をインスパイアし続けたい」(公式HPより和訳)とか、「クラシック音楽を次世代と関わりを持たせ、未来へつなげていくことが使命」(2021バーチャルワールドツアーより意訳)と公言しているように、たくさんの面白動画と少し真面目な動画を通じて、若者文化を楽しむ人達やクラシック音楽に興味がない人達に、知識としての「元ネタ」を刷り込み続けています。

 

彼らを日本でもっと認知してもらうことは、日本の文化がより豊かになることに繋がるはずです。文化は異なるものと出会った時に、触発され、変化し、豊かになっていくからです。日本でクラシック音楽は、馴染みのない人たちにとっては長い間、「西洋音楽」という外国からやって来た、どこか権威的で恐れ多く、崇高で不可侵のものとして扱われてきたような気がします。それが、こんなに面白いなんて!とTwoSetに出会って内面から触発された(特に若い)人達がどのように自国の文化を変容させていくのか、見てみたい気がしませんか。

 

そんなことは抜きにしても、ただ単に、日本でこの二人に会ってみたいと思いませんか。一応まだ、「会いに行けるアイドル」なはずです。人気が出る前にファンになっておくことを全力でオススメします。そして次に世界中のホールを回るワールドツアーが行われる時、開催地に日本の都市名を一つでも二つでも増やしていきましょう。

 

10000字少しオーバーしちゃいましたが、以上です!

だいたいの日本語訳 TSV 2021 Virtual World Tour

新年ということで、ずっと気になっていたブログのデザインを変えました。シンプルで読みやすくなったかと思います。(プロフィールの下にある自己紹介文がずっと「妊娠中」になっているのですが、どこで編集できるのかわからなくなってしまい、そのままになっているのもずっと気になっています…。プロフィールのところでは編集できないんですよね…。)

 

TwoSet Violinバーチャル・ワールドツアーの、だいたいの日本語訳

年末は何をしていたかというと、昨年末行われたTwoSet Violinバーチャル・ワールドツアーの、だいたいの日本語訳をしていました。全部聞き取れたわけではないので、全訳はできなかったのですが、ストーリーのざっくりとした流れと、注釈を書いておきたいと思います。

〈※この記事は、私が英語の勉強と音楽の教養のためという名目でただのファンをしているYouTuberのTwoSet Violinが、年末に行ったVirtual World Tourの内容を記述するものです。この記事の内容に対する間違いのご指摘はコメント欄などへお願いします。本人が大変喜びます。〉

TwoSet Violinは、台湾出身オーストラリア人のプロバイオリニスト二人によるデュオ兼チャンネル名で、主にお笑いとクラシック音楽を融合させた自虐的なコンテンツが世界中で大人気。現在登録者数345万人になります。私は日本の登録者数を増やし、一刻も早く400万人登録記念のメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲生放送をBrettに弾いてもらいたい!という一心で、せっせと日本語記事を書いています。

(BrettとEddyの名前だけは私にとってカタカナ表記だと何だかしっくりこないので、このまま英語表記にします。曲名などは極力日本語表記にするよう心がけました)

 

場面1

現代

いつものリラックスした感じでコンサートが始まります。一曲目は、今や二人のアイコニックな曲となったパガニーニの「24のカプリース」を2つのバイオリンとピアノのための編曲で…と思ったら、突然激しいビートが鳴り響き、Eddyがダンスを踊り出します。何か様子がおかしい(※でもEddyにとってはいつものこと…(笑)と思った人も多かったのではないでしょうか)?Brett が弾いてみても、やっぱり何か変!音楽に激しいビートが付いて、身体が勝手に踊り出す!そこで緊急速報のニュースが入ります。「文化的パンデミックによって、世界からクラシック音楽が消えてしまいました!街は謎のダンスを踊る人で溢れています!」

そこにヒラリー・ハーン(を装ったEddyであることが後に発覚する)から電話がかかってくる。「世界からクラシック音楽が消えてしまったの!世界をもとに戻すには過去へ戻って4つの時代からそれぞれ〈音楽の石〉を持って帰ってくる必要があるわ!」(※Eddy の女声は本当に聞き取りが難しい。)

40時間時計とタピオカミルクティー(※二人の大好物)によって、タイムスリップをして4つの時代から石を持ち帰ることにします。Brettがバロックとロマン派、Eddyが古典派と20世紀へと手分けしてタイムスリップすることになりました。

 

場面2 

バロック/バッハ

1717年 ヴァイマール(ドイツ)

Brettは18世紀にやって来たことに興奮し、バイオリンを弾いてみますが、バロックの時代にビブラートを使用したという理由で逮捕、投獄されてしまいます。(※バロック音楽にビブラートは使用しない)(※「You are under a rest(休符).」 と「You are under arrest.」をかけたダジャレが登場。CG合成によってBrettの頭上に四分休符があるという、コンピュータ技術を駆使した会心のダジャレだったっぽい)

バッハ / 平均律 アヴェ・マリア

投獄先にいたのは大作曲家バッハ。彼はヴァイマールの宮廷楽団にいましたが、後任の楽長に腹を立てて辞表を提出したため、逮捕されてしまったのです。どうして辞めようと思ったのかというBrettの問いに「給料が安かったから」というのを聞いて一言「You are Baroque.」※(broke:お金がない、すっからかん)とをかけたダジャレ。他にも「Oh my Bach!」や「bach in time」などバッハの名前を至るところでダジャレにしていました。

Brettがなぜここへやってきたのかという話題からフーガの説明になり(※What's the Fugue of that!という、フーガとFワードをかけたダジャレが登場)、バッハはバイオリンソロのフーガを作りたいがバイオリンは単旋律を演奏する楽器のため不可能だと言います。しかし、バッハは有名なソロバイオリンのためのフーガを三つ作曲し、現代まで演奏されています。きっとできるはずだと説得し、曲が出来上がります。

無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番より フーガ 

これを演奏し、バロックの石を手に入れます。「I want to be Bach!」

※何でバッハの場面はやたらとダジャレ(Dad joke : オヤジギャグ)が出てくるんだろう、と思っていたのですが、バッハが「音楽の父」だからなのかな?と気がつきました。それとも、13人も子どもがいたから?(別の奥さんとの子も合わせると20人も子どもがいたそう)だから(Dad joke : オヤジギャグ)???

 

 

場面3  

古典派/モーツァルト

1775年 ザルツブルクオーストリア

バイオリンを演奏するモーツァルトから隙をみて石を奪おうとするも見つかってしまうEddy。石をもらうために「何でもする」と言ってしまったため、今夜初演を迎えるバイオリン協奏曲第5番をモーツァルトに成り代わって演奏することになりました(本人は女の子とデートへ行くらしい)。

試しに本人の前で演奏してみると、モーツァルトは「どうしてそんなに ”sAcrLieGioUs” なのか!?」と憤ります。楽譜通りに弾いたって、フレージングやキャラクターが無ければ音楽ではないと言います。どういうことかを教えるために、Eddyにシャイでウブな女の子を演じさせ、モーツァルトは迫るイケメン男子を演じて第二部を演奏し、「キャラクター」をつかみます。モーツァルトの言う「音楽」がどういうことかを理解したEddyは、見事コンチェルトを演奏し、古典派の石を手に入れます。

 

モーツァルト / バイオリン協奏曲 第5番 イ長調 K.219



場面4 

ロマン派/チャイコフスキー

1878年 クララン(スイス)

チャイコフスキーに新しい作曲の生徒だと間違われるBrett。ちょうどバイオリンのための小品を作曲したところだから弾いてくれと言われて演奏します。

チャイコフスキー / メロディ(懐かしい土地の思い出 作品42)

情感たっぷりに「メロディ」を弾くBrett。(※この表情が好き!)そして、それをじっと見つめるチャイコフスキー。えもいわれぬ甘いメロディの曲とともに感情が高まるチャイコフスキー…。演奏が終わって思わず一言「I think I’m in love.」(※そりゃ惚れてまうやろ〜!)

そんなわけで?作曲アシスタントとして、Brettがバイオリンコンチェルト作曲を手伝うことになります。ここで「チャイコフスキーとの楽しい日々」の映像挿入(ていうかいつもの二人じゃない?)。BGMはTwoSetオリジナル「The BAE song」。(※BAEとは、before anyone else の頭文字で、「最愛の人」を表すスラング。でも実は「Brett And Eddy」を表しているらしい。この曲はBAE(シ・ラ・ミ)の音が主題になっています)

舞台に戻り、ここで痛恨の音声消失。

完成した協奏曲を「じゃあ一緒に弾いてみようよ」ということで、何と第2楽章を「2 boys 1 Violin!(片方がバイオリンの指を担当し、片方が弓だけを担当して一つのバイオリンを二人で弾くTwoSet のお家芸)」(※今までだとだいたい爆笑してるかどっちかがミスして吹き出してるのに…こんなにシリアスに弾いてる姿が観られるなんて…なんかいけないものを観てしまった気分…と思った人が多数出たことでしょう。なにこれせつない!韓ドラ!?)

チャイコフスキー / バイオリン協奏曲 ニ長調 作品35 第2楽章

当時の帝政ロシアでは同性愛は禁じられているので、自分の気持ちを押し隠そうとするチャイコフスキー。Brettは、僕が来た21世紀では愛の機会においては誰でも平等だと信じている、という感じのことを言っていたかと思います。チャイコフスキーとのせつない別れの際に、「これを僕だと思って持っていてくれ」と、ロマン派の石を渡されます。Brett「石のこと忘れてた…」

 

場面5 

20世紀/ショスタコーヴィチ

1948年 サンクトペテルブルク(旧ソビエト連邦

レコーディングの時間に15分遅れたことになっているEddy。ショスタコーヴィチとのレコーディングが始まる。

ショスタコーヴィチ / 2つのバイオリンとピアノのための5つの小品

とても美しい曲だけど、あなたの曲らしくないな、と言うEddy。あなたの音楽性は、もっと痛みに満ちていて、暗くて、皮肉で、怒りがあって…というとショスタコーヴィチに制止されます。そんなこと言ったら逮捕される、スターリンプロパガンダ音楽だけが許されていると言うのです。彼は生活のために作りたくもない安っぽい映画音楽で生計を立てているのです。Eddyは、未来ではあなたの音楽は交響曲弦楽四重奏やオペラなどの芸術音楽としてみんなに愛されていますよ、と伝えると、ショスタコーヴィチはEddy に、個人的に作曲したバイオリンコンチェルトを弾いてくれないかと頼みます。

ショスタコーヴィチ / バイオリン協奏曲 第1番 イ短調 作品77 よりカデンツ

見事な演奏をして、20世紀の石をショスタコーヴィチから受け取ります。

 

場面6

現代

4つの時代から音楽の石を持ち帰った二人。クラシック音楽を世界に取り戻そうとします。しかし、それはEddyによって仕組まれた罠だったのです。Eddyは集めた石を爆破し、クラシック音楽を根本から破壊してしまったのです。なぜそのようなことをしてしまったのかというと、Eddyは毎日毎日40時間も練習をするのに疲れ果ててしまったからです。それでも全く上手くならないのに、次から次へと神童が現れ難曲を弾く…。自分はト長調の音階も音程を外さず弾くことすらできないのに!だからクラシック音楽なんて無くなればいいんだ、全部ポップスになってしまえと思って企んだことだったのです。Eddyの企みに絶望してやぶれかぶれになったBrettは、最後のタピオカドリンクを飲んでどこかへタイムスリップしてしまいます。

 

場面7

1811年 テプリッツ(ドイツ)

クラシック音楽の溢れる宮廷?で楽しく過ごすBrett。しかしふと虚しさが胸にこみ上げます。さまよっているところにある人物と出会います。彼との会話の中で、自分はクラシック音楽を、新しい世代と関わりを持たせ、未来へつなげていくことが使命なのだと気づき、早く現代に戻らなければ、とその人物に伝えます。しかし、その人物はベートーヴェンで耳が聞こえないのでした。

ちょうど書いたばかりの交響曲第7番でお祝いをしようじゃないか!ということで二人で演奏します。

ベートーヴェン / 交響曲第7番 イ長調 作品92 (2本のバイオリンとピアノのための編曲)

 

場面8

2021年

一方その頃、Eddyはテレビのショーで演奏をしていました。(※某バイオリンも弾ける韓国アイドルがテレビ番組で盛大に音を外していた上にダンスをしながら弾くところでは当て振りだったことを指摘した動画をネタにしたものと思われ、Eddyはそれを耳コピし、(キレはいまいちなものの)一応踊りながら生演奏している)

収録後、テレビ局のディレクターに視聴者を楽しませるために次はもっと脱げ(?)と言われます。そんな現状に絶望するEddy 。クラシック音楽を世界に取り戻す方法を思いつきます。それが、「リン・リンの石」です(※Ling Lingとは、TwoSet が創り出した架空の人物で、おそらくアジア系のバイオリンの天才)。最も強い力を持つその石は、悪魔に魂を売ったというパガニーニが持っています。EddyはBrettに電話して、イタリアへ行ってくれと頼み、Brettはドイツからパガニーニのいるイタリアへと急ぎます。(※ベト7が作曲され始めた頃とパガニーニが活躍していた時代が重なり、つじつまが合う)

 

場面9

1811年

ルッカ(イタリア)

Brettは石を渡そうとしないパガニーニにバイオリンで対決を挑みます。

演奏するのはもちろん、

パガニーニ / 24のカプリース(2本のバイオリンとピアノのための編曲)

(※ここで本来「場面1」で演奏されるはずだった曲へと戻ってきます)

パガニーニとの戦いに勝利したBrettは、現代に戻ります。

 

リン・リンの石の力によってクラシック音楽は世界に戻され、人々がこれまでのように楽しめるようになりました。BrettとEddyとEditorさん(?)は再集結してクラシック音楽への愛を世界中に広めています。TwoSet Violinとしての命は成長し続けています。皆もそう考えていました…。

そこで映し出される疲弊しきった様子のEddy…。扉の向こうではBrettが呼びかけています。(これからコンサート本番だよ!)…そして、「場面1」に戻る???

※このオチがどうしてもわかりませんでした…。というか、ナレーションが最後の方聞き取れませんでした!これで合っていますか?ああ字幕があればなあ…。



おわり

文字にするために改めて書きながら観ていて、二人の演じ分け、弾き分けのすごさにびっくりしました。「弾き分け」っていう言葉があるのかわからないのですが、寸劇の人物になりきって「演奏」しているんですよね。シーンごとに弾いてる表情が全然違うんです‥。劇を挟むからなおさらなのかもしれないけれど、その人物になりきって弾いています。そしてお芝居をしながらあのプログラムを演奏できるなんて。すごいです。特にBrettの演技力に磨きがかかっていてびっくりしました。もう…大好き!(うちの夫に似てるし)



特に関連すると思われる動画を貼っておきますね。

2022年、今年もどうぞよろしくお願い致します。

 

 

The BAE song for the Valentine’s Day


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Henry Lau Reveals Fake Violin Secret


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TSV 2021 Virtual World Tour!!

TwoSet Violin バーチャルワールドツアー

 

この記事は、私が英語の勉強と音楽の教養のためという名目でただのファンをしているYouTuberである、TwoSet Violinが行ったVirtual World Tourの感想です。TwoSet Violinは、台湾系オーストラリア人のプロバイオリニスト二人によるデュオ名、兼チャンネル名で、主にお笑いとクラシック音楽を融合させた自虐的なコンテンツが世界中で大人気で、現在登録者数345万人です。

 

アメリカ時間参戦しました!2回目だから少し肩の力が抜けていい感じにリラックスできていたのでしょうか。比べて観ていないので何ともいえないのですが、そんな感じがしました。日本時間の皆さんはいかがでしたか。ヨーロッパ時間も楽しみですね!

 

詳細はまだご覧になっていない方もいらっしゃるかもしれませんので書きませんが、控えめに言って、最高でした!

 

個人的にはチャイコフスキーとBrettに全て持っていかれました(笑)。

 

TwoSetのこれまでの持ちネタがギュッと詰まっていて、でも今までに観たことのないレパートリーもあり、ホールを貸し切って生き生きと演奏している彼らを見ることができて、「ああ、この二人はこういう場所がやっぱり似合ってるな」と思いました。音響の良いホールで、生演奏をするための鍛錬を続けてきた人達だからこそできる生演奏のバーチャルコンサート。でもただのクラシックの演奏会ではなくて、へんてこな笑いに溢れている。大満足です。$20は安かった!バーチャルだからこその演出が生きていましたね。dad joke (オヤジギャク)もビシビシきてました(笑)

 

また歴史を刻みましたね!次は登録者数400万人記念コンチェルト(4Mil Drop)かな?早くもインスタでアンケートとってて、確かメンコンが多数だったと記憶しています。

 

コンサートは、西海岸時間午後5時から、夕飯の準備をし、夕食を食べながら後半は子ども達とも一緒に観ました。只今復習中です。今年の残りは72時間ギリギリまで楽しもうと思います…。良い一年の締めくくりになりました。Brett が元気で幸せ。

 

2021年も皆様のおかげで大変楽しい一年になりました。どうぞ良いお年をお迎えください!

 

バーチャルワールドツアー予告


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4年前のワールドツアーへのリアクション


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これ実際に聴いてみたい!↓コンチェルトバトル


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長女(7)の現地校保護者面談と急にやってきた英語の発達

長女は現在7歳。現地の小学2年生(2nd grade)です。アメリカの義務教育も3年目を迎えました。

 

もう先月の話になってしまいましたが、保護者面談がありました。基本的に良いことの内容が9.99割のアメリカの保護者面談ですが(会社の上司とのミーティングもそんな感じらしい。だからこそ、最後にちょっと言われるような注意点がものすごく大切なんだそうです。)、その内容が我々家族にとって非常に嬉しかったのと、これまでの家庭での取り組みの結果が一つ出たのかなという気がしたので、ここに書きたいと思います。

 

面談は引き続きコロナのためにオンラインでした。(コロナが終息しても、もうずっとオンラインでやってもらいたいです)

 

長女の学校は公立校ですが、少し他の学校と違っていて、その特質上、English や Social Study 担当の担任と、Math や Science 担当の担任と二人の担任がいます。それに加えて、長女は英語がまだ英語ネイティブレベルではないため、ELL(呼び方が変わったのですが、慣れているのでこの呼び方を使い続けます)という、大人のESLに当たるクラスを、英語ネイティブの子とは別に受けることがありますが、その担当の先生と更にELL責任者の先生とも面談を行い、計4名の先生方とそれぞれお話をしました。(ちなみに今回は夫がすべて同席してくれたため、私はあいさつ以外に英語を喋ることはありませんでした!)

 

面談で知った長女の実力

先生方からの話をかいつまんでまとめると、長女はリーディングレベルが、2nd gradeとしての到達目標(年度末までの目標レベル)をすでに達成していること、ライティングも接続詞を適宜使って作文ができており、すばらしいとのことでした。

ライティングが学年相当なのかはよくわからなかったのですが、先生はとても褒めてくださいました(それはアメリカの先生あるある)。それにしても、英語はいつも平均以下と認識していたので、ここへきて急激に現地校の生徒を追い上げているのかなと思うと、信じられないような気がしました。

 

また、Mathは学校でMAPテストというもの(コンピュータを使った統一テストのようなもの)を年2回受けるのですが、今回の結果は、最高値の99パーセンタイルでした。(順位や点数が出るテストではなく、州の平均に比べてどのような位置にいるかを示したもので、要するにトップ1%以上に入っている、という成績でした)

算数は、もう一つオンラインで受けたテストでも学力は3rd相当、という結果をもらいました。(きっと日本人あるある)

 

MAPテストは、キンダーの時も受けていたはずですが、その時は英語自体がよくわかっておらず、算数も問題の指示がわからなかったのか、50パーセンタイル以上ではあったものの、芳しい数字ではありませんでした。そしてパンデミックになってからの1年半、何のテストらしきものも受けてきませんでした。でも、何事もなかったかのように…とはいきませんが、z会を淡々と家で取り組み続けてきてよかった、と思いました。

 

自宅学習で終わった昨年度の1年間、英語は、私の指導らしい指導ははほとんどなく、学校のリモート授業と、音読や読書と、学年相当のワークをやっていただけなので、これで大丈夫なんだろうかと親は不安に感じていたものです。

 

とはいえ、英語はまだELL対象です。今後の課題は語彙とのことで、もっとボキャブラリーを増やすように言われました。何をしたらいいのかときいても、学校の先生はたいてい「読書」としか言わないので、読書に励みつつ、ボキャブラリーを増やす手立てを現在リサーチ中です。

 

Mathについても、現状で満足してはいられません。なぜなら、アメリカ国内で立身出世を目指そうと思うと、算数を2,3学年先に進めていることは必須だからです。実際、アメリカにはそのような(算数が現学年以上の力を有している)児童生徒向けに、公教育として特別な教育を施す学校が別にあり、対象となる児童生徒はそこで2,3学年先の内容を学び、進路指導も手厚く受ける…という仕組みがあり、学力格差の再生産が行われているのです。そして、2,3学年先の算数(数学)を学ぶ…ということが、大学入試において重要なポイントだということも最近知りました。

 

わが学区は、そのような非常に高い能力を持つ児童生徒をHC(Highly Capable)と呼び、これに選ばれるとHCの子が通う専用の学校だかクラスだか(ご縁がないのであいまい)に通うことができるようなのです。親(母親)が日本人のご家庭は学力の高い子が多いようで、知り合いに何人もHCのお子さんがいます。

 

うちの子は英語が平均以下だし、たとえ面接に呼ばれてもまともに受け答えできないに違いない…と現実として可能性を考えていませんでした。でも、ここへきて、そんな可能性もあるのかも…?と取らぬ狸の皮算用をし始めました。とりあえず、算数だけでも諦めずにやってきて、よかったなと思います。

 

今後の家庭学習はどうする?

今後どの方向を目指して家庭でサポートしていけばいいのだろうか、と考えた時に、やはりアメリカの大学入試を知らなければ…と考えました。まだまだ先のことと思って先延ばしにしてきたのですが、そろそろ親の私がリサーチを始めてもいいころだろうと。そこでいろいろとブログを拝見したり、本を読んでいるうちにその面白さにどっぷりはまってしまいました。アメリカの大学入試を調べるのが趣味というか、自分の娯楽になってしまい、知れば知るほど「面白い!」と思えるし奥が深いし、根深い問題を痛感するんです。現在進行形で入試制度を勉強中なのですが、途中経過報告という形で、近々記事にしたいと思っています。

絶対音感は何語で身につけるべきなのか?

絶対音感は何語で身につけるべきなのか?

 

この秋から、毎日家事育児送迎に忙殺されているのですが、ある時ふと思ったのです。

うちの子どもに絶対音感を身につけさせることはできるのか?と。

自分はもう絶対に無理だから調べたこともなかったのですが、ググってみたところ5−6歳のうちに訓練すれば、どうやら身につけることができるらしいのです。

うちの長女はもう7歳になってしまったのですが、一応3歳後半からバイオリンをやっていたし、けっこう音感が良いので、いけるのではないか?と密かに思い始めました。まだまだこれから次女、三女も待ち受けています。もし身についたら、何かと便利なんじゃないか…。

 

訓練というのも、どうやら音と音の名前を記憶する、というだけのものなようです。(まだ書籍などは読んでいないので、本当にやるとなったらちゃんと読もうと思うのですが)

 

そこでふと立ち止まりました。「音の名前は何語にするべき?」

長女は現在、アメリカ人の先生にバイオリンを習っており、英語「ABCDEFG」で音符を読む練習をしています。ドレミという言葉自体は知ってはいますが、それで音符を読むことはありません。でも、私はドレミで読む方が楽ですし、パッとABCで音名が出てきません(ドはC)。更に、昔、無理矢理ドイツ音名を覚えさせられた(覚えられなかった)弊害で、Bと聞くとシ♭だと思ってしまうのです。BはH。ややこしい…。

「ドレミ」はイタリア語ですが、英語圏で全く使われない、というわけではないけれど、ちょっと「専門的」な感じがするみたいです。日本でいうドイツ音名みたいな感じでしょうか。そしてドイツ音名は今までアメリカで聞いたことがありません。(Eをエーと読んだり…ややこしいですからね…)

 

余談ですが、昔(小2とか小3の頃)ドイツ音名を覚えるためにリングに通した暗記カードのようなものを使ったのですが、それが一体何なのか、母親も先生も誰も体系立った説明をしてくれなかったように記憶しています。だから、当時の私は、ドイツ音名とドレミは同じものだということを全く知らなかったのです!どういうことか意味がわからないかもしれませんが、驚くべきことに、私は「ド」は「ツェー」のことで1オクターブ上でも「ド」だったら「ツェー」ということがわかっていませんでした。とにかく無限に音名があって覚えきれない!と思っていたのです…(♯や♭が付いても名前が「ツィス」「ツェス」と変わるので)。呪文のように覚えた「ツェーデーエーエフゲーアーハー」が、「ドレミファソラシ」と同じなのだと知ったのは大学生になってからで、よくよく考えたらものすごく単純な話なのに「何がそんなに難しかったんだろう?」と唖然としました。当時の私は結局、音程が悪いし、音名も答えられないので、先生も困り果てたのだと思います。私も辛くて仕方なくて、小4になる前にやめてしまいました。この先生の話はまた別の記事で書きたいと思います…。

 

ともかく、「ドレミ」でやるか英語、「CDE」でやるか、はたまたドイツ語でやるか…?このままアメリカでやっていくなら英語だとは思うのですが…もし日本に帰ることになったらギターとか以外ではほとんど使えない知識になってしまいますが。

まあ、これを機に私は自分の脳みそを鍛えて英語読みできるように頑張ってみようかな…?悩む…。

 

絶対音感といえばもちろんEddy(Twoset Violin)↓

バーチャルワールドツアーもうすぐですね!


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2021年のクリスマス動画のネタは絶対音感(perfect pitch)!


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TwoSet Violin がバーチャルワールドツアー!

TwoSet Violin がバーチャルワールドツアーを行います

 

こちらは、アメリカの西海岸のとある街です。

新学期が始まって、想像の倍以上の忙しさです。基本的に運転か食事の準備か食事しかしていない毎日です。生まれて初めて口唇ヘルペスができかけました。(すぐ治ってよかったです、マスクだから誰にもわからないんですが)

 

今日は、これだけは書かせてください。

 

TwoSet Violin がバーチャルワールドツアーを行います!

残念ながらまだコンサートホールでは会えないようです…。でも赤子を抱きながらでも参加できるオンラインで、よかったといえばよかったのかもしれません!

 

Violinist.com が二人にインタビューをしてくれていました。↓

www.violinist.com

 

 

チケット購入はこちらから↓

www.momenthouse.com

 

南北アメリカは12月28日5PM(西海岸)です。

他にアジア向け、ヨーロッパ向けの各タイムゾーンで、視聴しやすい時間帯に、3公演コンサートを行ってくれるそうです!

チケット購入者は72時間録画を視聴できます(反芻できるんですね)。 

 

上記サイトで二人の最新ビジュアルも見られます。なんだかぐっと大人になった二人。私は黒スーツがどうしても好きなんですが…。リラックスした雰囲気が、近年の余裕を感じさせますね。

 

バーチャルコンサートが$20。おそらく売り切れはない(枚数の制限が無い)と踏んで、実はまだ購入していません、すみません。すぐ買います。気になったのが、Sold Out の Meet & Greet。1分間二人とおしゃべりできる券ってことですよね。これ、発売と同時に即日完売になっていました…。$79、高いのか安いのか???



マキシム・ヴェンゲーロフ氏のマスタークラスで、イザイの指導を受けた成果をブレットには聴かせてもらいたいですね↓

(最近のイチオシ動画。イザイをガシガシ弾いてるブレットが見られます!もちろんヴェンゲーロフ氏の怪物っぷりも!あと二人のレッスン受けたい。。。)


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