国語の教員でしたが、アメリカで子育てをして、日本に帰国しました。

高校の国語科教員を退職し、長女が1歳の時に渡米し、2022年に帰国しました。3人目も無事出産しました。

だいたいの日本語訳 TSV 2021 Virtual World Tour

新年ということで、ずっと気になっていたブログのデザインを変えました。シンプルで読みやすくなったかと思います。(プロフィールの下にある自己紹介文がずっと「妊娠中」になっているのですが、どこで編集できるのかわからなくなってしまい、そのままになっているのもずっと気になっています…。プロフィールのところでは編集できないんですよね…。)

 

TwoSet Violinバーチャル・ワールドツアーの、だいたいの日本語訳

年末は何をしていたかというと、昨年末行われたTwoSet Violinバーチャル・ワールドツアーの、だいたいの日本語訳をしていました。全部聞き取れたわけではないので、全訳はできなかったのですが、ストーリーのざっくりとした流れと、注釈を書いておきたいと思います。

〈※この記事は、私が英語の勉強と音楽の教養のためという名目でただのファンをしているYouTuberのTwoSet Violinが、年末に行ったVirtual World Tourの内容を記述するものです。この記事の内容に対する間違いのご指摘はコメント欄などへお願いします。本人が大変喜びます。〉

TwoSet Violinは、台湾出身オーストラリア人のプロバイオリニスト二人によるデュオ兼チャンネル名で、主にお笑いとクラシック音楽を融合させた自虐的なコンテンツが世界中で大人気。現在登録者数345万人になります。私は日本の登録者数を増やし、一刻も早く400万人登録記念のメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲生放送をBrettに弾いてもらいたい!という一心で、せっせと日本語記事を書いています。

(BrettとEddyの名前だけは私にとってカタカナ表記だと何だかしっくりこないので、このまま英語表記にします。曲名などは極力日本語表記にするよう心がけました)

 

場面1

現代

いつものリラックスした感じでコンサートが始まります。一曲目は、今や二人のアイコニックな曲となったパガニーニの「24のカプリース」を2つのバイオリンとピアノのための編曲で…と思ったら、突然激しいビートが鳴り響き、Eddyがダンスを踊り出します。何か様子がおかしい(※でもEddyにとってはいつものこと…(笑)と思った人も多かったのではないでしょうか)?Brett が弾いてみても、やっぱり何か変!音楽に激しいビートが付いて、身体が勝手に踊り出す!そこで緊急速報のニュースが入ります。「文化的パンデミックによって、世界からクラシック音楽が消えてしまいました!街は謎のダンスを踊る人で溢れています!」

そこにヒラリー・ハーン(を装ったEddyであることが後に発覚する)から電話がかかってくる。「世界からクラシック音楽が消えてしまったの!世界をもとに戻すには過去へ戻って4つの時代からそれぞれ〈音楽の石〉を持って帰ってくる必要があるわ!」(※Eddy の女声は本当に聞き取りが難しい。)

40時間時計とタピオカミルクティー(※二人の大好物)によって、タイムスリップをして4つの時代から石を持ち帰ることにします。Brettがバロックとロマン派、Eddyが古典派と20世紀へと手分けしてタイムスリップすることになりました。

 

場面2 

バロック/バッハ

1717年 ヴァイマール(ドイツ)

Brettは18世紀にやって来たことに興奮し、バイオリンを弾いてみますが、バロックの時代にビブラートを使用したという理由で逮捕、投獄されてしまいます。(※バロック音楽にビブラートは使用しない)(※「You are under a rest(休符).」 と「You are under arrest.」をかけたダジャレが登場。CG合成によってBrettの頭上に四分休符があるという、コンピュータ技術を駆使した会心のダジャレだったっぽい)

バッハ / 平均律 アヴェ・マリア

投獄先にいたのは大作曲家バッハ。彼はヴァイマールの宮廷楽団にいましたが、後任の楽長に腹を立てて辞表を提出したため、逮捕されてしまったのです。どうして辞めようと思ったのかというBrettの問いに「給料が安かったから」というのを聞いて一言「You are Baroque.」※(broke:お金がない、すっからかん)とをかけたダジャレ。他にも「Oh my Bach!」や「bach in time」などバッハの名前を至るところでダジャレにしていました。

Brettがなぜここへやってきたのかという話題からフーガの説明になり(※What's the Fugue of that!という、フーガとFワードをかけたダジャレが登場)、バッハはバイオリンソロのフーガを作りたいがバイオリンは単旋律を演奏する楽器のため不可能だと言います。しかし、バッハは有名なソロバイオリンのためのフーガを三つ作曲し、現代まで演奏されています。きっとできるはずだと説得し、曲が出来上がります。

無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番より フーガ 

これを演奏し、バロックの石を手に入れます。「I want to be Bach!」

※何でバッハの場面はやたらとダジャレ(Dad joke : オヤジギャグ)が出てくるんだろう、と思っていたのですが、バッハが「音楽の父」だからなのかな?と気がつきました。それとも、13人も子どもがいたから?(別の奥さんとの子も合わせると20人も子どもがいたそう)だから(Dad joke : オヤジギャグ)???

 

 

場面3  

古典派/モーツァルト

1775年 ザルツブルクオーストリア

バイオリンを演奏するモーツァルトから隙をみて石を奪おうとするも見つかってしまうEddy。石をもらうために「何でもする」と言ってしまったため、今夜初演を迎えるバイオリン協奏曲第5番をモーツァルトに成り代わって演奏することになりました(本人は女の子とデートへ行くらしい)。

試しに本人の前で演奏してみると、モーツァルトは「どうしてそんなに ”sAcrLieGioUs” なのか!?」と憤ります。楽譜通りに弾いたって、フレージングやキャラクターが無ければ音楽ではないと言います。どういうことかを教えるために、Eddyにシャイでウブな女の子を演じさせ、モーツァルトは迫るイケメン男子を演じて第二部を演奏し、「キャラクター」をつかみます。モーツァルトの言う「音楽」がどういうことかを理解したEddyは、見事コンチェルトを演奏し、古典派の石を手に入れます。

 

モーツァルト / バイオリン協奏曲 第5番 イ長調 K.219



場面4 

ロマン派/チャイコフスキー

1878年 クララン(スイス)

チャイコフスキーに新しい作曲の生徒だと間違われるBrett。ちょうどバイオリンのための小品を作曲したところだから弾いてくれと言われて演奏します。

チャイコフスキー / メロディ(懐かしい土地の思い出 作品42)

情感たっぷりに「メロディ」を弾くBrett。(※この表情が好き!)そして、それをじっと見つめるチャイコフスキー。えもいわれぬ甘いメロディの曲とともに感情が高まるチャイコフスキー…。演奏が終わって思わず一言「I think I’m in love.」(※そりゃ惚れてまうやろ〜!)

そんなわけで?作曲アシスタントとして、Brettがバイオリンコンチェルト作曲を手伝うことになります。ここで「チャイコフスキーとの楽しい日々」の映像挿入(ていうかいつもの二人じゃない?)。BGMはTwoSetオリジナル「The BAE song」。(※BAEとは、before anyone else の頭文字で、「最愛の人」を表すスラング。でも実は「Brett And Eddy」を表しているらしい。この曲はBAE(シ・ラ・ミ)の音が主題になっています)

舞台に戻り、ここで痛恨の音声消失。

完成した協奏曲を「じゃあ一緒に弾いてみようよ」ということで、何と第2楽章を「2 boys 1 Violin!(片方がバイオリンの指を担当し、片方が弓だけを担当して一つのバイオリンを二人で弾くTwoSet のお家芸)」(※今までだとだいたい爆笑してるかどっちかがミスして吹き出してるのに…こんなにシリアスに弾いてる姿が観られるなんて…なんかいけないものを観てしまった気分…と思った人が多数出たことでしょう。なにこれせつない!韓ドラ!?)

チャイコフスキー / バイオリン協奏曲 ニ長調 作品35 第2楽章

当時の帝政ロシアでは同性愛は禁じられているので、自分の気持ちを押し隠そうとするチャイコフスキー。Brettは、僕が来た21世紀では愛の機会においては誰でも平等だと信じている、という感じのことを言っていたかと思います。チャイコフスキーとのせつない別れの際に、「これを僕だと思って持っていてくれ」と、ロマン派の石を渡されます。Brett「石のこと忘れてた…」

 

場面5 

20世紀/ショスタコーヴィチ

1948年 サンクトペテルブルク(旧ソビエト連邦

レコーディングの時間に15分遅れたことになっているEddy。ショスタコーヴィチとのレコーディングが始まる。

ショスタコーヴィチ / 2つのバイオリンとピアノのための5つの小品

とても美しい曲だけど、あなたの曲らしくないな、と言うEddy。あなたの音楽性は、もっと痛みに満ちていて、暗くて、皮肉で、怒りがあって…というとショスタコーヴィチに制止されます。そんなこと言ったら逮捕される、スターリンプロパガンダ音楽だけが許されていると言うのです。彼は生活のために作りたくもない安っぽい映画音楽で生計を立てているのです。Eddyは、未来ではあなたの音楽は交響曲弦楽四重奏やオペラなどの芸術音楽としてみんなに愛されていますよ、と伝えると、ショスタコーヴィチはEddy に、個人的に作曲したバイオリンコンチェルトを弾いてくれないかと頼みます。

ショスタコーヴィチ / バイオリン協奏曲 第1番 イ短調 作品77 よりカデンツ

見事な演奏をして、20世紀の石をショスタコーヴィチから受け取ります。

 

場面6

現代

4つの時代から音楽の石を持ち帰った二人。クラシック音楽を世界に取り戻そうとします。しかし、それはEddyによって仕組まれた罠だったのです。Eddyは集めた石を爆破し、クラシック音楽を根本から破壊してしまったのです。なぜそのようなことをしてしまったのかというと、Eddyは毎日毎日40時間も練習をするのに疲れ果ててしまったからです。それでも全く上手くならないのに、次から次へと神童が現れ難曲を弾く…。自分はト長調の音階も音程を外さず弾くことすらできないのに!だからクラシック音楽なんて無くなればいいんだ、全部ポップスになってしまえと思って企んだことだったのです。Eddyの企みに絶望してやぶれかぶれになったBrettは、最後のタピオカドリンクを飲んでどこかへタイムスリップしてしまいます。

 

場面7

1811年 テプリッツ(ドイツ)

クラシック音楽の溢れる宮廷?で楽しく過ごすBrett。しかしふと虚しさが胸にこみ上げます。さまよっているところにある人物と出会います。彼との会話の中で、自分はクラシック音楽を、新しい世代と関わりを持たせ、未来へつなげていくことが使命なのだと気づき、早く現代に戻らなければ、とその人物に伝えます。しかし、その人物はベートーヴェンで耳が聞こえないのでした。

ちょうど書いたばかりの交響曲第7番でお祝いをしようじゃないか!ということで二人で演奏します。

ベートーヴェン / 交響曲第7番 イ長調 作品92 (2本のバイオリンとピアノのための編曲)

 

場面8

2021年

一方その頃、Eddyはテレビのショーで演奏をしていました。(※某バイオリンも弾ける韓国アイドルがテレビ番組で盛大に音を外していた上にダンスをしながら弾くところでは当て振りだったことを指摘した動画をネタにしたものと思われ、Eddyはそれを耳コピし、(キレはいまいちなものの)一応踊りながら生演奏している)

収録後、テレビ局のディレクターに視聴者を楽しませるために次はもっと脱げ(?)と言われます。そんな現状に絶望するEddy 。クラシック音楽を世界に取り戻す方法を思いつきます。それが、「リン・リンの石」です(※Ling Lingとは、TwoSet が創り出した架空の人物で、おそらくアジア系のバイオリンの天才)。最も強い力を持つその石は、悪魔に魂を売ったというパガニーニが持っています。EddyはBrettに電話して、イタリアへ行ってくれと頼み、Brettはドイツからパガニーニのいるイタリアへと急ぎます。(※ベト7が作曲され始めた頃とパガニーニが活躍していた時代が重なり、つじつまが合う)

 

場面9

1811年

ルッカ(イタリア)

Brettは石を渡そうとしないパガニーニにバイオリンで対決を挑みます。

演奏するのはもちろん、

パガニーニ / 24のカプリース(2本のバイオリンとピアノのための編曲)

(※ここで本来「場面1」で演奏されるはずだった曲へと戻ってきます)

パガニーニとの戦いに勝利したBrettは、現代に戻ります。

 

リン・リンの石の力によってクラシック音楽は世界に戻され、人々がこれまでのように楽しめるようになりました。BrettとEddyとEditorさん(?)は再集結してクラシック音楽への愛を世界中に広めています。TwoSet Violinとしての命は成長し続けています。皆もそう考えていました…。

そこで映し出される疲弊しきった様子のEddy…。扉の向こうではBrettが呼びかけています。(これからコンサート本番だよ!)…そして、「場面1」に戻る???

※このオチがどうしてもわかりませんでした…。というか、ナレーションが最後の方聞き取れませんでした!これで合っていますか?ああ字幕があればなあ…。



おわり

文字にするために改めて書きながら観ていて、二人の演じ分け、弾き分けのすごさにびっくりしました。「弾き分け」っていう言葉があるのかわからないのですが、寸劇の人物になりきって「演奏」しているんですよね。シーンごとに弾いてる表情が全然違うんです‥。劇を挟むからなおさらなのかもしれないけれど、その人物になりきって弾いています。そしてお芝居をしながらあのプログラムを演奏できるなんて。すごいです。特にBrettの演技力に磨きがかかっていてびっくりしました。もう…大好き!(うちの夫に似てるし)



特に関連すると思われる動画を貼っておきますね。

2022年、今年もどうぞよろしくお願い致します。

 

 

The BAE song for the Valentine’s Day


www.youtube.com

 

 

 

Henry Lau Reveals Fake Violin Secret


www.youtube.com