国語の教員でしたが、アメリカで子育てをして、日本に帰国しました。

高校の国語科教員を退職し、長女が1歳の時に渡米し、2022年に帰国しました。3人目も無事出産しました。

「横浜歌まつり」へ行ってきました!

先日、長女と一緒にみなとみらい大ホールへ、「横浜うたまつり」を聴きに行ってきました!インスタよりも熱量高めの長文で、お届けします(汗)

 

そのネーミングから、「ファミリー向けの軽いノリのコンサートなのかな?」と思ってしまいますが、チラシを見て、出演者と曲目を知ると、印象は全く異なるかと思います!!



◆女声の音域を唱う男声パート:カウンターテナーにしてみなとみらいホールプロデューサーであり、このイベントの企画者

 藤木大地さん

 

◆シンガーソングライターであり、大河などドラマ出演もされる俳優でもあり、ミュージカル界の「天才」

 中川晃教(あきのり)さん

 

◆英国ロイヤルオペラで「蝶々夫人」タイトルロールを演じたソプラノ歌手

 中村恵理さん

 

◆オーストラリア出身のバイリンガルであり、ヴォーカリストとヴァイオリニストの二刀流であり、シドニー大学卒業(東京大学留学)の才女でもあるアーティスト(まさにLingLing!!)

 サラ・オレインさん

 

この「才能の塊」な四人の歌い手さん達が、各々の十八番を披露したり、それぞれジャンルを超えてデュエットしたり、コラボしてくれるのです!もう見どころしかなかったので、パンフレットの曲目(pic:4)からお察しください…!

 

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

nicota_vn(@nicota.vn)がシェアした投稿

 

更にオーケストラの演奏を山形交響楽団の皆さんが担い、阪哲朗マエストロと共に盛り上げてくださいました。合間合間に、ミュージカルやオペラの序曲や間奏曲の演奏があり、オケの名曲も楽しめてしまう、なんとも贅沢なコンサートでした!

 

オケ曲は、

バーンスタイン / キャンディード序曲

ビゼー / 〈カルメン組曲〉より《闘牛士

マスカーニ / 〈カヴァレリア・ルスティカーナ〉より 間奏曲

ワーグナー / 〈ニュルンベルグマイスタージンガー〉より第一幕への前奏曲

といった、このコンサートにぴったりな名曲が散りばめられ、私の大好きな曲ばかりで本当にコストパフォーマンスの高いコンサートでした!

 

キャンディード序曲で幕を開けたこのコンサート。この後、同じバーンスタイン作曲の〈ウエスト・サイド物語〉から《Maria》と、デュエット《Tonight》へと繋がっていくわけですが、一曲目《Maria》で登場した中川さんは過去に宮本亜門演出でミュージカル〈キャンディード〉のタイトルロールを演じた人だというところもニクい演出だなと思いました。

 

司会にはバイオリニストの松本蘭さんが登場。桐朋の大学院まで卒業され、正真正銘立派なヴァイオリニストでありながら、この日はマイクしか持たず、司会に徹していらっしゃいました。ヴァイオリンを持たずに舞台に上がるのはこの日が初めてということでしたが、普通にアナウンサーのような美しいお声と華やかなお顔立ちな上に、演奏者ならではの目線から各出演者の皆さんの声を引き出していて、聴いていてとても楽しいトークでした!

 

そう、このコンサートはトークの時間も充実していて、出演者が(確か)二回ずつと阪マエストロのお話も聞ける時間があったのです。これも満足感が高かったです!

 

私はその「人」にもとても興味があるんですよね〜。曲を楽しむだけではなくて、それを演奏する(歌う)人って、どんな人なんだろう?というのがとても気になるのです。演奏(歌)とその人となりにギャップがあったりするのも、キュンとくるポイントなんです。クラシックって、けっこうそういう「ギャップ萌え」みたいなの発生しやすくないですか?(私だけ?)

 

このコンサートは、マイクを使わないオペラ歌手と、マイクを使うポップスの歌手のジャンルを超えたコラボレーション。一体どうなるのか!?というところが見どころでしたが、もう結論から言うと、「すごかった」の一言でした。

 

声楽家のお二人の声がすごいのは言うまでもないことなのですが、全然違和感がないのです。四人の音楽家の個性と長所がものすごく感じられて、それぞれ四者四様の表現力にただただ感動しました。マイクを立てたり、立てなかったり…と曲目によっても音響の方々がバランスを取っていたんだろうなと思います。

 

オペラ歌手の藤木大地さんと中村恵理さんが全身を楽器にして会場を震わせるのに対して、中川晃教さんとサラ・オレインさんはマイクを使っての表現になるのですが、これが、「そうか、マイクが楽器なんだ!」と思わされる表現で‥!マイクを通してスピーカーから出てくる音を計算して発声しているというか、スピーカーが声帯の延長で、声帯としてスピーカーを震わせているというか…!ただの拡声器ではないんですよね。雑音を全く感じさせない確かな発声のテクニックに「こんな歌声、きいたことない…!」とびっくりしました。

 

私の席は前から2列目、上手のスピーカー近くだったのですが、けっこうスピーカー近くってバランス良くなく聞こえちゃうってことがあるじゃないですか。聞こえなくてもいいような雑音が聞こえたり。それが、全くなかったのです。雑音が無くて、どこまでもクリア。ブレスの音さえ聞こえなくて、ただ美しい歌声が、合唱でも埋もれることなく飛び出してくることもなく、どこまでも澄んで聞こえてくる…!

 

私はその時に思ったのです。「このスピーカーは、電気信号で震えているのではない、歓びに震えているんだ…!」

ご本人は目の前で歌っているのに、今すぐそのスピーカーに耳を押し付けて聴きたい!という衝動に駆られました。

何なのこの感情!?

この感情にどんな名前があるのか、誰か教えてください…。

 

会場全体を震わせる歌声も、目の前のスピーカーから聞こえる歌声も、どこまでも澄み切って心地よい…!しかも全員高音なんですよ。男性が二人もいるのに…(笑)でも全然苦しくない。もう、どこ見渡しても澄み切った高音しか見当たらない天国でした。

それぞれが主役級で、本当に一人ひとり別のコンサートに行かないと聴けないようなプログラムに、オーケストラの名曲も何曲も聴けて、トークまで楽しめる…。コンサートを4つも5つも聴いたような気がしました。チケット代、S席10,000円は、リーズナブルだと思います!せっせとお小遣いを貯めて、聴きに行って本当に良かったです。

 

一緒に行った長女(8歳)もとても楽しんでいて、特にソプラノ歌手の中村恵理さんと藤木大地さんとの二重唱に感銘を受けたようです。オペラの生歌を聴いたのは初めてだったんですよね。とっても良い体験になりました!


中川晃教さん

さて今回、私が「どうしても聴きに行きたい!」と思ったのが、中川晃教さんなんです。私、アメリカにいる間に中川さんの歌声にハマって、一時期ずーっと見つけられる限りの動画を見て聴いていたのです。

 

実はそれが、TwoSetに出会うきっかけにもなりました…!

 

ちなみに、サラ・オレインさんも、約7年前、私がアメリカに行ったばかりの頃に藁をも掴む思いで観ていたNHK「大人の基礎英語」にスタジオでレギュラー出演していらして、スペシャル回で素晴らしい歌声とヴァイオリンを披露していたことからファンになりました!あの番組は、オーストラリアロケのVTRドラマに宮沢氷魚さんも出演されていて(すごく光ってた!)、豪華だったな〜と思います。

 

以前、TwoSet激推し記事を書いたのですが、テーマが「推し」の記事を書くにあたり、実は中川さんの記事を書くことも考えていたくらいなんです。

 

書くにしても、実際歌声を聴いてみないことにはなあ…と思っていたところだったのです。だから、今回、その気持ちが全く裏切られることなく、むしろ想像の遥か上だったので、こうしてその感動を書いています!でも、やっぱりミュージカルの舞台を観に行きたいなあ〜という欲が出てきてしまいました!

 

今回のソリスト四人の皆さんは、それぞれすごい才能の塊で、とっても素晴らしくて、それぞれの歌を楽器に例えるならば、カウンターテナーの藤木大地さんは、チェロがヴァイオリンの音域を美しく奏でるのを聴いているかのよう。ソプラノの中村恵理さんは、ヴァイオリンの名手の超絶技巧を聴いているよう。サラ・オレインさんは、ヴァイオリンとフルート大谷級の二刀流、という感じでした。

 

その中にあって、中川さんの歌声は…なんというか、楽器そのものが違うというか、まるでクリスタルグラスが鳴っているかのようでした…。伝わりますか…?なんか楽器が違うんです…。

 

中川さんを聴きに行った人がみんな「アッキー!アッキー!」て、なっちゃうのもわかるような気がしました。同い年なんですよね、私。ヘイヘイヘイとか出てたデビュー当時も知ってるはずなんですけれど。私は若い頃どうしても同年代には興味がわかなかったんです。30代後半になって再発見してから、「あ、良い年の重ね方したんだなこの人」って思って、応援しています。なんか久々に同窓会で会って、いい男になってた同級生みたいな感覚です(中川さんは昔からいい男なんでしょうけれど)。

 

今回、どうしても生で聴きたかった、ミュージカル「モーツァルト!」の代表曲「僕こそ音楽」!中川さんのミュージカルデビュー作品にして、最初の代表作。ミュージカル初出演にして日本初演の主役に抜擢され、数々の賞を総なめにした伝説の舞台…らしいです。

 

私はリアルタイムでは知らないのですが、その舞台は今や押しも押されぬミュージカル界のトップスターである井上芳雄さんとのダブルキャストでした。井上さんは泣く子も黙る藝大の声楽科ご卒業。当時、エリザベートの皇太子役などですでに人気も高かった井上さんの方が、前評判が良く、もう一人の主演である中川さんはミュージカルは初挑戦でほとんど無名の状態でした。

 

ところが幕が開いてみると中川さんが歌も演技も素晴らしく、あまりに神童モーツァルトそのものなので、井上さんがかすんでしまったそうです…。そのことを、井上さんは割と最近もインタビューでお話されていました。井上さんは、映画やドラマ、バラエティでも活躍されていて、中川さんよりも一般的には知名度があるのではないかと思います。今はその地位を確立されているからこそ、当時の話もできるのでしょうね。

 

実力も人気も申し分ないプリンスを、野から出てきた天才が凌駕する…「ガラスの仮面」を地でいくライバル伝説ですよね…。そういうところにも胸が熱くなります…!ちなみに井上さんは再演時に各賞を受賞されており、井上さんも充分素晴らしいのです。今はお二人は良き親友というのも心温まります。

 

中川さんは、一般的な「ミュージカル俳優」というイメージからは少し離れたところにいるような気がします。もちろん、突然歌い出すとか、踊り出すとか、天才ならではの自由さを持ってる人なんですけれど…。小柄で高音なので、王子様とか、渋くて低音を響かせるような役は向いていないのかなと思うのですが、他の誰にもできないような、難しい役をいつも担っているような気がします。天才とか、神とか、悪魔とか、少年とか、スヌーピー(!)とか…「こんな役だれができるんだろう?」という役がピッタリなんですよね…。そういうところが好きです。

 

30代になってからの当たり役、「ジャージー・ボーイズ」の天使の歌声、フランキー・ヴァリ役がまさにそういう役です。この役で読売演劇大賞最優秀男優賞を手にしました。去年再再演されたのですが、観に行けず残念でした…。次は何年後か?ですが、必ず行きたいです!!

 

バイオリンファンの心に刺さりそうといえば、割と最近、新作ミュージカル「CROSS ROAD〜悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ〜」に出演されていました。これはサブタイトルの通り、悪魔に魂を売ったバイオリニスト、パガニーニが主人公のミュージカル!まさに「Sell Out」の世界ですね(笑)。パガニーニをかどわかす音楽の悪魔役を中川さんがシングルキャストで演じたそうです。ピッタリすぎる!これも再演されたら絶対行きたいです。

 

思いの丈を書きなぐりました!以上です!

 

モーツァルト」といえば!の中川さんは、アニメ「クラシカロイド」でもモーツァルトの歌を2曲かな?歌っています。↓


www.youtube.com


www.youtube.com



「僕こそ音楽」はいろいろな動画が上がっていますが、本人がストリートピアノで歌ってみた動画(4:35くらいから)貼り付けておきますね

ご本人のチャンネル↓


www.youtube.com

 

アニメ「クラシカロイド」は、TwoSetも絶賛していましたよね〜↓


www.youtube.com



ついでに「Sell Out」笑


www.youtube.com