国語の教員でしたが、アメリカで子育てをして、日本に帰国しました。

高校の国語科教員を退職し、長女が1歳の時に渡米し、2022年に帰国しました。3人目も無事出産しました。

長女のバイオリンコンクール初挑戦の記録など

お久しぶりです!Twosetのワールドツアー始まっていますね!情報収集が追いついていないのですが、これから追いかけていきたいと思います!

 

我が家はこの春に引っ越しをしまして、子どもたちも転校があったので本当にバタバタで、更に謎の風邪と咳に悩まされ、一ヶ月以上誰かが体調不良でした(コロナやインフルではなかったのが謎です…)。最近ようやく生活も落ち着きつつあり、こうして久々にブログを更新しております。ちなみにコロナは昨年夏に子どもが学校でもらってきて、昨年の夏休みはお盆明けまでずっと閉じこもっていたのでした。またすごい勢いで流行しているようなので、皆様お気をつけください。

 

今回は、書くと宣言していましたので、春にあった長女のコンクールについてようやく書きたいと思います!

 

長女のバイオリンコンクール初挑戦

 

この春、長女は念願のバイオリンコンクールに出場しました。腕に自信があるとかそういう理由ではなくて、ただ、「どんなものか出てみたい」という単純な好奇心だったようです。私も、何か目標に向けて努力し、評価されて次に活かす…という経験が、長女の成長につながるのではないかと思いました。

 

あわよくば、賞状やトロフィーなんかがもらえたらいいな…という下心もありました。長女は長い間「トロフィー」という物自体にあこがれていて、幼い頃には自分でトロフィーを作っていたくらいなので、何とかその手に持たせてあげたいなと思っていました。だから、あまりにハイレベルなコンクールだと絶望感しかないかなと。将来ソリストを目指すというよりは、実直に「おけいこ」を頑張っている子達が出るような、そんなコンクールを希望していたのです。

 

結果からいうと、5位を頂きました。立派な賞状とトロフィーもいただけて、長女は大満足でした。そのコンクールは「ベストを決める」というよりは、教育的な意義を大事にしているコンクールなようで、タネ明かしをしてしまうと、全員が6位までに入賞できるようでした。

 

しかし、先生によると、あの出場者の中で長女の結果は大健闘だったそうです。

 

蓋を開けてみると、同じ8歳カテゴリーに、ものすごく上手な、難曲を弾く子たちがわんさかいました。ピリピリしているわけではなかったのですが、完全なアウェー状態…。それには、とある理由があったのですが、それは後ほど書きたいと思います。

 

どのコンクールに出る?

 

日本で新しい先生にお世話になる際に「コンクールに挑戦してみたい」ということはあらかじめ申し上げておりました。そのコンクールも「身の丈に合った」レベルのものということでお願いしてありました。というのも、以前にこのブログで書かせていただいたように、「かながわ音楽コンクール(略してかなコン)」の本選を見学した際に、そのレベルの高さに後ずさりしてしまったからです…。全国大会とかじゃないコンクールで…このレベルなの…!?と。

 

コンクールにもいろいろあって、初めての子も出るような、アットホームな雰囲気のコンクールがあるから、それに出てみましょう!と、先生からあるコンクールをおすすめされました。それが、「日本ジュニアヴァイオリンコンクール」です。

 

比較的新しくできたコンクールで、予選もなく、課題曲もありません。曲の難易度よりも、出来栄えを評価するとのことです。「よし、それなら…!」と軽い気持ちで挑戦することにしました。



どの曲を弾く?

 

選曲ですが、コンクールに向けては、今教本で勉強しているものよりも少し先へ進んだ曲に取り組むそうです。聞き応え、弾きごたえのある曲に長期間取り組むことによって、成長が促されるのもコンクールに出る一つのメリットなようです。長女はその時点で、スズキ4巻のヴィヴァルディのイ短調3楽章を終えていたので、先生からは、

 

ヴィヴァルディ/コンチェルト ト短調 3楽章(スズキ5巻)

ヘンデルソナタ No.4  2楽章(6巻)

エックレス/ソナタ 1・2楽章(8巻)

 

上の3曲からどれか選びましょうとご提案頂き、聴いてみた上で長女自身でエックレスに決めました。8巻の曲だけど大丈夫!?と思いましたが、音数はそれほど多くなさそうだし、ハイポジションもないから大丈夫かなと思いました。ところが実際は、細かくポジション移動があり、地味に正確な音程を取るのが難しかったです…。ゆったりな1楽章は、歌うのが苦手な長女の弱点克服のための良い課題となりました。2楽章は元気な曲調なので長女の好みで、バロックだから練習曲のようですし、良いトレーニングになりました。

 

舞台での披露

 

まず1月末にあった音教のおさらい会へ向けて、年末からこの曲の練習を始めました。

 

おさらい会本番では、生まれて初めての本格的なホールの舞台にとてつもなく緊張し、数箇所いつも間違えないようなところで間違えて弾き直してしまい、崩壊しかけました…。が、ピアノの先生の素晴らしすぎるフォローのおかげで崩壊することなく、なんとか弾き終えることができました!

 

その時は、ミスもそうなのですが、それよりも気になったのは、長女の弾き方です。仁王立ちというか、操り人形のように棒立ちなのがとても気になりました。

 

音程はだいたい押さえることはできるようになってきたので、春のコンクールへ向けては、左手はビブラートの強化、右手は圧力とボーイングの強化、身体も自然に動くようにしたいね、と先生と確認しました。

 

コンクール費用

 

今回、一回のコンクールに出るためにかかった費用は、ざっと計算して10万円というところでした。

 

これには、コンクール参加費に始まり、本番だけでなく合わせのたびにかかる伴奏費、衣装や靴代、楽器の調整、弦、弓の毛替え、ホール練習代や特別レッスン代…といったものが含まれます。

 

正直甘くみていました…。

 

いつものレッスン費とは別に、10万円プラスの出費になるわけです。

 

親が伴奏できると、かなり節約になるのかなという感じはします。家でも合わせられていいですよね。衣装や靴なんかは、うちはかなり抑えたので、もっと費用をかけようと思えばいくらでもかけられちゃいます。レッスンも、直前は週に2回や、一日おきに受けるなんて人もいるそうです…。我が家レッスン日以外にみていただいたのは計3回という、最低限の回数で抑えました…。

 

お金をかけようと思えば、いくらでもかけられてしまう…。しかし、単なる課金ゲームではない…というところが、芸術の恐ろしいところですね(つまり、本人の頑張りや資質によるところが大きい)。うちは「身の丈に合った」を合言葉に、できるだけ頑張る、という姿勢です!

 

コンクール当日

 

当日は、次女三女の妹達は、夫とお留守番してもらいました。妹達がいると、長女だけでなく私も集中できないと思ったからです。

 

会場は、耳にしたことはあるものの、私は行ったことのない東京のホールでした。小ホールだったので、とっても客席が近かったです!

 

会場で受付をすると、受付のお姉さんから「楽しんで演奏してくださいね!」と温かいお言葉が。一気に緊張がほぐれましたが、この後過酷な現実が我々親子を襲うとは、その時は知るよしもなかったのです…。

 

受付で渡されたプログラムというか、曲順を一目見て、「え!?」と思いました。難曲がずらりと並んでいたのです。見間違いかと思いましたが、間違いなく、8歳のカテゴリーの中に、高学年や中学生がコンクールで弾くような難曲がエントリーされています…。ラロのスペイン交響曲とか、ブルッフのコンチェルトとかです。

 

ザイツやヴィヴァルディのコンチェルトも見られたのですが、むしろ少数派といった感じでした。

 

ともかく、とっても素敵な曲ばかりです!もうこれは…娘の出番が終わったら、観客として楽しむしかない!!

 

そしてドキドキの初めての音出し部屋。入ってみると、みんな上手!音大きい!圧倒される私。長女はというと、そのうちのお一人の子の曲をきいてテンションが上がりました。「あ!あの曲!」クライスラーの「プレリュードとアレグロ」を見事に弾いているお子さんがいました。カッコイイからいつか私が(親の私が)弾いてみたいな〜と聴いていた曲でした。長女はその場の空気を楽しんでいるようで、緊張する素振りは全く見せませんでした。たいしたものです。1月に音教のおさらい会に出たのも良かったのだと思います(ものすごく緊張していましたから)。

 

しばらくすると、一人、背の高い子が入ってきて、おもむろに弾き出しました。その曲をきいて、「あれ?これ、ブラームスブラームスはエントリーされてなかったから、次のカテゴリーの子かな?難曲だし、背も高いし、さすが高学年ね〜」なんて感心していました。ところがその子、同じカテゴリーのお子さんだったのです。客席で観客として聴いている時に、その子が最後に出てきてビックリ…。曲は、ブルッフのコンチェルト3楽章でした!音出し部屋で聴いた時、ブラームスの3楽章と勘違いしてました…。

 

なんか、似てませんか?ブラームスブルッフの協奏曲…。1楽章にも似てるとこありますよね…?そんなこんなで一人心の中でズッコケていましたが、本当に見事な演奏に、立ち上がってブラボー(ブラーヴァかな)を送りたい気持ちでした!

 

結果発表は、カテゴリーの演奏終了後、20分後にロビーの受付にて行われます。時間になったら、列に並んで、一人一人名前を伝えて結果をきく、という形式でした。様子を見ていると、全員賞状とトロフィーをもらっているようでした。オフィシャルには、「6位までの入賞者に賞状が送られる」と書いてあるのですが、実際は全員が6位までに入賞し、賞状とトロフィーが贈られる…ということなのではないかと思います。

 

様子から見たところ、1位1名、2位2名、3位3名…みたいな感じではないかと、推測なんですけれども、思います。(あくまで推測です)これは要するに、とってもおすすめのコンクールです!みんな出ましょう!!お子さんの自己肯定感爆上がり必至です!!

 

さて、5位のトロフィーをいただいて大喜びの長女。私はしばらく周囲を観察していましたが、やはり1位はあのブルッフを弾いたお子さんだったようです。そこで気がついたのですが、そのお子さんはロビーで大勢の他のお子さんと楽しそうにじゃれ合って遊んでいます(小2ですからね)。そのグループは、5-6人くらいの人数なので、すごく目立ったんですよね。周りの様子からみて、みんな同門のようなんです。軒並み難曲を弾いていた子達です。先生らしき方と集合写真も撮っていたので、おそらく間違いないと思います。

 

後日、インスタで流れて来た投稿を見て確信しました。あ、あの有名お教室だったんだ!と。毎年各種コンクール上位入賞者を輩出されているらしき、お教室です。その先生が、1位のお子さんの演奏と、1,2位のお子さんお二人の写真をアップされていました。ちなみに2位はクライスラーのプレリュードとアレグロを弾いていたお子さんでした!

 

なるほど!と思いました。その投稿だけ見ると、そのお教室から出場した二人がワンツーフィニッシュを飾ったように見えて、それはその通りなのですが、そのほかにも同じ教室から出場して3位、4位…だった子達もたくさんいるのです。しかもあれだけの難曲を弾いて。1位だったお子さんは、権威あるコンクールの全国大会へも進出されているようで、このコンクールはいわば練習だったのだろうな、と想像します。他のみんなも一緒に練習で出てみましょ、みたいな感じだったのではないでしょうか。

 

そう考えると、長女が5位なのはすごいことではないか!と思いました。よく頑張ったなと。長女は実は、曲が弾けるようになってからモチベーションが低下してしまい、ほんの3日前まで練習が少なすぎて私が喝を入れていたのですが(基礎練含めてせめて30分くらいは弾こうよ、と)。そんな彼女は、本番で一番良い演奏をしてくれて、大きなミスがなかったのです。

 

本番の一回で、それまでやってきたことを出し切る、というのはなかなか難しいことだと思います。うまくいかないことの方が多いくらいではないでしょうか。そういう本番を何回も経験することで、何においても自分にとって大事なここ1番を乗り切る自信を付けてくれたらなあ、と、親としては願っています。

 

長女は、このコンクールが楽しかったらしいので、また秋にも出ることにしたようです。こちらはもうちょっとローカルなものになるはずです。今度のコンクールは、他のコンクールの全国大会の練習とかにもなりにくいのでは…?と心の中で願っています(汗)。上手な子と同じ舞台で演奏するのも良い経験にはなるのですが。

 

次のコンクールは

 

次の曲は、ベリオの「エア・バリエ」に決まりました。ダンクラではなく、ベリオです。そんな曲あったんだ!と思ったのですが、主題がかっこよくて、これまた長女自身が決めました。もちろん先生が何曲か候補を挙げてくださった中から選びました。弾けるようになったら、これまたレベルアップできそうな曲です。

 

私事で恐縮なのですが、最近親の私もバイオリンのレッスンを受けているのですが、次の曲はベリオの「バレエの情景」を狙っています!ライバルは娘(笑)なんとかくらいついていこうと思っています…。