国語の教員でしたが、アメリカで子育てをして、日本に帰国しました。

高校の国語科教員を退職し、長女が1歳の時に渡米し、2022年に帰国しました。3人目も無事出産しました。

四年前の自分へ

3度目の出産が近づいてきたので、二人目の時はどうだったかな、と過去の自分のブログを最近よく読み返しています。

そうしたら、長女の教育のこととか、自分の英語のこととか、悩んでるな〜と客観的に思いました。今なら、そんな自分にどんな声かけるだろう…?4年経って、色々と答えが、少しだけですが見え始めてきたので、現時点での状況から過去の自分の疑問質問に、自ら答えてみたいと思います。

あくまで、自分自身の経験を、自分自身に語りかけています。



Q1. 長女は日本語を忘れてしまいますか?

A1. 現地校へ行き始めても、忘れません。両親とも家庭で普通に日本語を話し、毎晩最低でも一冊は絵本を読んであげる、という生活を続け、日本語親子教室へ通ったり、日本語プレイグループに入ったりして他の日本語を話すお友達と交流し続けていれば、日本語を話さなくなるということはありません。親が英語を混ぜた日本語を話さなければ、子どももそうなることはありません。

 

Q2. 私は英語を話せるようになりますか?

A2. たいして話せるようにはなりません。でも、よく使うフレーズを覚えることによって反応が速くなり、単純なやり取りだけなら何だか話せる風にはなっていきます。しかし、ちょっと込み入ったことを伝えようと思うと途端に頭がフリーズするので、「I'll text you later.(後でメールします)」で切り抜けることがほとんどです。

また、聞き取りは日々鍛えられていきます。渡米直後は早すぎると感じたような英語も、4年経つと普通のスピードに感じられます。ただ、理解できるかというのは別問題です。たとえはっきり聞き取れても、何を言っているのかわからない、という問題は常にあります。句動詞(phrasal verbs)を学びましょう。(わかってはいても全く進歩がない現状です…)

 

Q3. 子どもの日本語、英語教育はどうしたらいいですか?

A3. あなたが大学入試までは頑張って英語を勉強してきたのは確かですが、日常英語は正直いってネイティブ3歳以下レベルなので、親が変な英語を聞かせるよりは家では日本語を使う、を徹底しましょう。子どもが3歳になるまでは日本語を最優先して、手先が器用になり始めたらひらがなを書く練習を始めます。ひらがなが書ければ、アルファベットの大文字小文字は楽に書けます。

アルファベットは書けなくても何の問題もありません。Kindergartenでゼロからやってもらえます。でも、できれば英語環境に慣れるために、Kindergartenの始まる一年前からは英語のPre-schoolに通っておくと良いでしょう。そうすることで親がアメリカの学校行事や習慣に慣れることもできます。

英語の学習は、親が教えようとするのではなく子どもが習ってきたことを一緒に勉強するような姿勢がいいのではないでしょうか。借りてきた本を一緒に読む、覚えなきゃいけないことを一緒に覚える、というように。時には子どもに教えてもらうと、子どもは喜んで教えてくれます。(発音矯正されて悲しい思いもします…)



Q4. アメリカ人のママ友はできますか?

A4. 心を許して何でも相談できるようなアメリカ人の友達、というのはできません。

でも、あなたにはいずれ、元NASAの研究者の主婦、ハーバード卒の経理スペシャリスト、高校の英語教師といった人達がいわゆるママ友(子どもを介した知り合いで、子ども同士が遊んだり、メールすれば返信が来るような関係)になってくれます。そういう高学歴な人達は、弱者に親切にするのが義務だと思っている善きアメリカ人の人が多いようです。

また、近所に住んでいる元小学校の先生が、暇な時に無料で英会話してくれたり、日常生活でも何かと気にかけてくれます。あと、ボランティアしたい銀行員も、週に一回2時間も無料で英会話してくれるようになります。

人とのつながりを怖がらず、飛び込んでいけば必ずどこかに仏はいるものです。もちろん完全に無視されたり、腹が立つことや嫌な思いもすることはあります。(そういう時は気にせずこっちが無視してやるくらいの勢いでいきましょう)

 

Q5. 子どもが誕生日パーティーに招待されたのですが、どうしたらいいですか?

A5. 子ども同士がとても仲良しだったり、子どもが行きたがっているようなら行っても良いですが、子どもが小さいうちは親も参加しないといけません。ソーシャルが苦手なら「I'm sorry, but she can't make it. Happy birthday!(残念だけど都合が悪くて行けません(sheは娘のこと)。お誕生日おめでとう!)」とでも早々に返信しておけば大丈夫です。

パーティーでは、ホストは所在なさげにしているゲストを放っておいてはいけないという暗黙の了解があるらしく、何かと気にかけてはくれるのですが、とにかくソーシャルが苦手なら行かないのが一番です。行ったら行ったで、アメリカのパーティー文化がわかって面白いですけれど、1、2回も行けば充分でしょう。

2020年はパンデミックで全くお誘いがなくなりましたよ!

 

Q6. 日本人のお友達はどうやって探したらいいですか?

A6. 日本語教室や日本語保育園、幼稚園に入るのが早いですが、日本人の先生の習い事や日本語育児サークル、プレイグループなどもあります。他に日本人が多く住んでいる地域の公園へ出かけてみたり、SNSやブログで出会えることもあります。あなたは人との出会いには恵まれますから、無理せず、合うなと思う人を大切にしていってください。

 

Q7. 車の運転はできるようになりますか?

A7. できます。本当に、信じられないかもしれませんが、あなたは英語の筆記試験も実技試験も無事に合格し、子どもを自由自在に送り迎えしています。数時間高速を飛ばして州境や国境をまたぐこともできました。

最初の一年目は、事故に遭って車の前半分が潰れたり、白昼の公園でバッテリーが上がったりするなど、あなたの配偶者には多大な迷惑をかけましたが、あなたが運転できるようになって誰より助かっているのは配偶者のはずです。

 

Q8. ハロウィンはどうやって過ごしたらいいですか?

A8. 学校へ行くようになると学校でのイベントがありますし、近くのショッピングセンターや商業施設、商店街などでも昼間から夕方にかけてtrick or treatingをやっています。そういうところに仮装して参加して、雰囲気を楽しみましょう。家をデコレーションして、やって来る子ども達を出迎えてもいいですが、はっきりいって外国人のあなたにはハードルが高すぎます。あなたの夫は全くやる気はありません。小学生も高学年になると大きくて、知らない人が敷地にやって来るのは怖いものです。外のデコレーションはやめておいて、夜は電気を消して過ごすのが一番です。

とはいえ、ハロウィンデコレーションをしたいし、生活があるから電気も消すわけにはいかない、という場合は、ハロウィンバケツにお菓子をたくさん入れておいて、玄関に出しておくと、勝手に来た子ども達が持っていってくれます。最近そういう家も多いようです。

2020年はパンデミックでハロウィンも自粛になりそうですよ!

 

Q9. アメリカでの出産はどんな感じですか?日本と比べてどうでしたか?

A9. アメリカの方が何でも進んでいる、というのが率直な感想です。私は一人目は都内有数の、NICUもある大病院で、管理入院もそこで2週間したのですが、妊婦健診では毎回内診があるし、医師や助産師の言うことは絶対、という雰囲気で何でも「赤ちゃんのため」。「赤ちゃんに優しく母親に厳しい」と言われる産院でした。「赤ちゃんのため」と言われると、母親はもう何も言えなくなりますよね。

アメリカでの出産は、内診は最初の方の一回と、最初の超音波、あとは陣痛始まってから最後の一回だけでした。普段はお腹の上から超音波も心音も確認できました。これだけで身体的苦痛が断然少ないです。それに、医師(日本人)もアシスタントも皆フレンドリーで、雑談もしてくれるし、ほぼ全員女性です。男性産婦人科医をまず見たことがないです。日本でも女性の割合が若干高いのが産婦人科医かなという気はしますが、それでもまだまだ半数以上は男性のようです。そして毎回内診があるとか(単に設備の問題?)、アメリカ人は耐えられないでしょう。日本人だって嫌なはずなんですけどね、男性産科医。仕方ないから我慢するんですよね。アメリカ人は我慢しないですからね。出産の主役は母親、という感じで、何でも本人の意志を尊重してくれる姿勢でした。だから、3人目もアメリカで産みたいと思えたのです。

 

Q10. 私は一体何年アメリカで暮らすのでしょうか?

A10. 少なくとも4年はいます。あなたが渡米してすぐの大統領選で当選した大統領が再選されるようなことがあれば、帰国も視野に入ってくるでしょう。



日本の医師の男女比率に関する記事がありました↓

www.gender.go.jp

 

www.nippon.com