国語の教員でしたが、アメリカで子育てをして、日本に帰国しました。

高校の国語科教員を退職し、長女が1歳の時に渡米し、2022年に帰国しました。3人目も無事出産しました。

娘の日本語状況(3歳3ヶ月 在米1年6ヶ月)

昨年末に書いて途中で放置していた記事を、完成させました。

今より半年以上も前の、長女の様子です。

 

昨年末の日本滞在中に気づいたり変化した、娘の日本語についてです。

 

昨年末、約1ヶ月半日本へ一時帰国して、私の実家に1ヶ月暮らしました。それほど長い間実家にいたのは、思い返せば上京して以来始めてでした。せっかくの日本での生活、日本語を強化する絶好の機会です。何かいつもと違うことを、と思い、日本では毎日ひらがなの練習をすることにしました。日本語強化月間です。

 

公文のワークブック

日本で買えば普通のお値段のひらがな練習ワーク。やるしかない!易しいものを一冊、毎日1ページずつくらいのペースで進めていきました。欲張りません!

実は、欲しかったのはオマケの巻末に付いている何度でも書いて消せるあいうえお表です。これだけでも持って帰国しようと決心していました。

実家に滞在していると、食事の用意や洗濯、掃除など全くしなくていいので(するべきなんでしょうか?)子どもたちと関わる時間が増えて嬉しかったです。朝ごはん食べたら片付けせずにそのまま「プリントやろう!」と言えるので、子どももその気になりやすいです。そう考えると、実家はパラダイスでした…。今のワンオペ状況だと、子どもと本当に一緒に遊べる時間って、働いていた頃とそう変わらないんじゃないかと思います…。

ワークの方は、最後の方は文字数が多くなってきて少々脱線気味でしたが、10ページほどの残りとあいうえお表だけ持って帰国となりました。

アメリカへ戻ってから、新しく通い始めたプリスクールでは、自分の名前をひらがなで作品に書いてくるようになりました。誰も読めないのですが。

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やさしいひらがな1集 (もじ・ことば 3)

やさしいひらがな1集 (もじ・ことば 3)

 

 

 

読める日本語、読めない英語

日本にいると、至る所に日本語があり、目に入ってくるので、読めるものは全部口に出して読もうとしていました。車のプレートにもひらがなが書いてあるのが面白かったみたいです。アメリカでも、目に入る文字は口に出して読んでいたのですが、まだアルファベットを単体で読んでいる段階なので、意味まではわかっていません。日本語は、まだ主にひらがなだけですが、読めれば意味がわかると感じていたようです。

 

日本で生活する同じ歳の子と比べると?

昔の友人達と食事する機会があり、子連れの子も多かったのですが、長女と同い年の男の子がすごく人懐っこくていろいろおしゃべりしてくれました。一方娘は、親の私から見ても人見知りがひどくて、初めて会う人がいる時や、たくさん人が集まる時にはだんまりを決め込むタイプです。思うに自意識が強すぎるのです。だいたいいつも2時間くらいすると本来の娘の姿が出てくるのですが、その頃にはおひらき…となります。その男の子の様子と、普段の娘の様子を簡単に比べてみると、まだそれほど日本語運用能力に開きはないかな、と思えました。

しかし、後ほど公園で小学生のお兄ちゃんがいる同い年の女の子に会った時は、その社交性と圧倒的なおしゃべりの量に愕然としました。性格もあるとは思うのですが…。アメリカにもずーっと一人でしゃべっている純日本人の女の子のお友達がいます(その子は突然英語に切り替わる瞬間があります)。

長女は昔から、しゃべるのは早くはないものの、大事なことを言う時は頭の中でよく考えて、文章を組み立てて、口に出しているように見えます。実際、「てにをは」を適切に使おうとしていて、間違えたら言い直します。でも…日本語のインプットがまだまだ足りないのかもしれません。実は私もあまりおしゃべりなタイプではないので、もっと話しかけることを意識しないといけないようです。私は普段から聞き役に回りがちなので。

 

にほんごであそぼ」と「えいごであそぼ

実家にいて一番違ったことは、テレビがよく点いている、ということです。我が家は東京にいる時にはテレビがなかったし、アメリカに行ってからもケーブルテレビを契約していません。日本のテレビをパソコンて観られるようにしたのですが、少し手間がかかるので、Eテレの決まった番組しか観なくなっていました。あとはDVDと、Fire TVです。

実家では、Eテレがいつもやっているので、夕方はずーっと観ていました。

その時にやっていた、おかあさんといっしょの「おまめ戦隊ビビンビーン」は、アメリカに帰ってからも度々「観たい」と言うようになり、ついにDVDまで購入しました。

1歳の頃からDVDを何本も買って観ている「にほんごであそぼ」も、リアルタイムで放送を観られて長女は喜んでいました。美輪様がレギュラー出演しているとは私は全く知りませんでした。衝撃。

そして、いつのまにかリニューアルしていた「えいごであそぼ」。これにも娘が食いついていました。けっこう、日本語発音を矯正するような内容になっていて驚きました。日本の子どもたちが厚切ジェイソンの指導の元、発音を練習する姿を見て、娘なりに何か感じるものがあったようです。「日本でも、日本人でも、英語を練習するんだ!」という発見があったのではないでしょうか。あと、コテコテの日本語発音をするアニメ(なぜか関西弁)の真似もしていました。

 

 

 

竹、田んぼ、米!

3歳になった頃に「ようちえんかんじかるた」を購入して、たまに出して一緒に見ています。

「身体の部分」「動物」「自然」など6つのカテゴリーに分けてジップロックへ入れておいています。

このかるたは、簡単な象形文字指事文字を、元になったイメージと一緒に覚えようというものです。しかし、日本にいたらたくさん見られるようなものが、アメリカにはありません。特に、太い青竹「竹」、田んぼ「田」、稲穂「米」。いずれは漢字を覚えるためにも、本物を見た方いいはずです。これらを見ることも、日本帰国の理由の一つでした。

母の田舎へ行く機会があったので、これでもかというくらい見てきました。日本の田舎は、竹、田んぼ、米!っていう風景が多いですよね。特に晩秋は、刈り取らないで残っている稲穂もあったので、よかったです。

娘は特に竹がお気に入りでした。竹林を見るたびに、「竹!」と叫んでいました。かぐや姫が中に入っていた竹、という意味で嬉しかったようです。長女は高畑勲監督の「かぐや姫の物語」が今でも大好きです。

 

nicota-in-us.hatenablog.com

 

 

ようちえんかんじカルタ ([かるた])

ようちえんかんじカルタ ([かるた])

  • 作者: 宮下久夫,篠崎五六,伊東信夫,浅川満,金子都美絵
  • 出版社/メーカー: 太郎次郎社エディタス
  • 発売日: 2012/07/25
  • メディア: 単行本
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アメリカへ戻ってから

くもんのあいうえお表を自主的に書き込んだり、プリスクールの作品にひらかなで名前を書くようになったりと、アメリカへ戻ってからも日本で得たものは着実に身についているようです。

実は戻ってきてから家を引越し、住む地域が変わり、プリスクールが完全英語の現地の子ども向けのところになったのですが、その後の長女の様子はまた別に書きたいと思います。