国語の教員でしたが、アメリカで子育てをして、日本に帰国しました。

高校の国語科教員を退職し、長女が1歳の時に渡米し、2022年に帰国しました。3人目も無事出産しました。

今さら過ぎる「シン・ゴジラ」の感想

今さらなのですが、日本へ帰った時に娘をホテルの託児所へ預けてまで夫婦で観に行ったゴジラについてです。

たいした感想は書きませんが、DVDが出てから家でじっくり楽しみたい方など、内容を少しでも知りたくない方はお戻り下さいね。

なぜこのタイミングで書くことにしたかというと、先日ランチをした日本人のお友達が全米公開期間中に観たというので、感想をきいたからです。私は日本で観た時に、日本で(しかも東京駅の近い日比谷で)観られてよかったなあと思った反面、アメリカで観てみたかったなあという思いもあり、最寄りの映画館ではどんな反応だったのか気になっていました。

 

 

自分の感想

ゴジラを知らなくても楽しめる、という前評判通り、いきなり観ても十分面白くてワクワクする、後味が悪くない良い映画でした。実は、ゴジラはなぜか第1作だけは観たことがあったのですが、それもまた良かったのかもしれません。でも、知らなくても十分だと思いました。

夫の影響で、「国家モノ」の映画やドラマを観ることが多くなってしまったのですが(スパイか軍人か警察か銀行員か政治家がだいたい主人公の話)、怪獣ものではなくてそういうので硬派な作風が好きな人はハマるのかなと思いました。ちなみに夫婦でハマった代表的なドラマは過去に「ハゲタカ」「外事警察(ソトゴト)」(←両方劇場版まで観た)「警察の血」などがあります。

あと、キャストが豪華過ぎて、予習無しで観て「あれ、この人あの人かな?まさかね?」と思って本当に出ていたのを最後に知る、という感じだったので、確かに何度か観に行きたくなるのも頷けます。

個人的には、最初に第二形態が遡上してきた川が、日本で最後に住んでいた自宅マンション付近を流れていた川だったのでもう最高でした。これまで住んできた区ばかりがよく出てきたので、何だか悲しいような、嬉しいような。まあ、ゴジラに壊されるとみんな嬉しいんですよね。そういうのがよくわかりました。

元国語教師としてやはり気になったのは牧教授の残した「春と修羅」ですが、これを「修羅」だけ取り出して議論するのはどうかなと思います。やはり、宮沢賢治の「自己犠牲」の思想があったのではないかと思うのですが。

娘はというと、託児所のいろいろなおもちゃで遊んだり、他の赤ちゃん(乳児)を眺めたりと、楽しんでいたようです。(全く振り返りもせずに入っていって、もちろん泣いたりしなかったとのことで、親は少しだけ寂しい…)

 

アメリカでのゴジラ

さて、ゴジラが公開されたアメリカ自宅の最寄りの映画館は、私が住んでいる市の隣の市で、人種の多様性に富んでおり、富裕層も多いところです。ここは、日本人も少数派ながら、割と多く住んでいます。

お友達が観に行った時は、映画館には人がよく入っていて、日本人というよりも現地の観客が多かったようです。

笑いが起こったポイントは、「さすが米軍だな」というところで拍手喝采。カヨコの「私が大統領になる頃に…」で失笑、だったとのことです。まあ…3世とはいえ、日系アメリカ人、しかも女性が大統領に当選する日はそうそう来るとは思われないでしょうね…この調子では。

字幕もだいぶはしょられていたとのことです。そりゃそうでしょう。米→日でもけっこうはしょられる(らしい)から、ましてやあの情報量では…。

 

英語について

カヨコの英語が物議をかもしている、という記事をいくつか目にしたのですが、私は普通に「すごい練習したんだろうな〜」と感心したレベルでした。英会話スクールの広告塔として、決して恥ずかしいようなものではなかったと思います。「ルー語」といわれてしまうのは脚本の問題だろうし。ただ、「ものすごく練習した英語」と、「ネイティブの英語」との間には、何とも表現のしようのない壁があると感じています。でもそれはどうしようもないものではないかと。カヨコが何かおかしいとしたら、たとえ日系3世であっても、アメリカ名門一族ならアメリカで教育を受けただろうし、英語ネイティブだろうに…練習した英語だね、というくらいのものですが、それは映画を観ているアメリカ人には特に変には感じなかったのかもしれません。いろんな英語に慣れているでしょうから、日系人だったらこんなもんかなくらいにしか思わないと思います。

逆に、日本人は海外の映画やドラマで日本人役の日本語がどう聞いても日本人の発音をしていないと、気になって気になって仕方なくなりますよね。どこかで書こうと思っていたのですが、米amazon制作で日本では非公開のドラマ「The Man In The High Castle」という、第二次大戦で日独伊の枢軸国側が勝った後の世界を描いたドラマがあります(原作はSF小説の古典で、ドラマは現在第1シーズン終了)。これも、あまりドラマを観ない私達夫婦(というか私)が珍しく二人で観ているドラマなのですが、日本とドイツがアメリカを分割統治している設定なので、日本人がたくさん出てくるわけですが、みんな日本人の日本語なので感心しています。(でも日本では絶対に人気出ないというか公開されることはないんだろうなあ、という内容です…日本は当然制作協力していないみたいだし、もちろん知っているような俳優も出てきません。日本は比較的まともに描かれているとは思うのですが。ドイツに比べたら…。)

 

 

ゴジラからだいぶそれてしまいましたが、夫は「シン・ゴジラ」のサントラまで買って目覚ましに鳴らすくらいにはのめり込んでいます。娘も朝からノリノリです。家族みんなで、DVDの発売を心待ちにしています。

 

3歳になったと主張する娘の2歳になってからのチャレンジ

この夏の終わりに2歳になった娘ですが、最近、自分は3歳だと主張します。「おかあさんといっしょ」に出てくる子どものチャレンジコーナー(歯みがきしたりパジャマを着たりする)に影響を受けて、「〜〜ちゃんちゃいでぇちゅ」と言うようになりました。しかも明らかに言い方がいつものしゃべり方ではなくて、モノマネをしているのです。あの、人前で気恥ずかしいながらもなんとかしゃべっている感じ、をマネしています。着替えたりする前に、たいてい「〜〜(←聞き取り不能)ちゃんちゃいでぇちゅ」と言ってから着替え始めます。毎回笑ってしまいます。おそらく彼女の持ちネタなんだと思います。

そうかと思うと、真剣な顔で「◯◯(自分の名前)、ちゃんちゃいだもん!」と主張。「2歳だよ。この前2歳になったんだよ」と言うと、泣いて全力で否定。本当に謎で面白いです。

 

そんな娘は、2歳になったのを境にいくつかチャレンジをしています。

まず一つ目は、トイレトレーニング。二つ目は、お箸です。

 

トイレトレーニング

2歳になる前から、「2歳になったらトイレでしようね」と言い続け、「お父さんがおまるをプレゼントしてくれるよ」と洗脳していたところ、おまるのプレゼントを喜んで、それ以来毎日またがっています。補助便座としても使えるおまるです。が、一度もトイレやおまるで出たことがありません。だいたい事後報告です。私自身も辛抱強く待てる体調ではなかったので、今はズボンをはいたまま、またがって遊ぶだけのものとなってしまっています…。本人がその気になったら、また再開しようかな、と考えています。

 

お箸

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引っ越す時に、日本で買ってきておいていました。「エジソンのおはし」です。2歳から練習できる画期的なお箸…。こんな便利なものはアメリカにはなかろう、と思って買ってきたのですが、大型日本(アジア)食スーパーに、おそらく全シリーズそろって売っていました…。棚一面に並ぶ「エジソンのおはし」シリーズ。結構お箸文化の民族のニーズが高いのでしょうか?何はともあれ、これから成長に合わせて買えるので安心しました。

実際使ってみたのは最近です。本人がお箸を使いたがるようになり、お箸であげると自分からは食べないものもおいしそうに食べるようになったので、これは!と思って出してみました。初日は、夕食を作っている間に娘に渡しておいて、「今日はおはしで食べようね〜」と話したら、最初は全く動かせなかったものの、しばらくしたらカチカチやっていて、夕食の時間にはもう食べていました。私も夫も驚きました。難しいと思われた白米までお箸で食べていました。

もちろんリングがついていて、元がくっついているからできるのですけれどね。しかし、後日、お箸で食べ物をつかんで遊んでしまうということに悩まされることに…。

 

以上、娘の最近のチャレンジでした。トイレトレーニングについてはまた進歩があったら書きたいと思います。

大統領……

やっぱり、このことに触れないわけにはいきません。米国に住んでいる身として。

 

選挙の翌日は、夫の職場でもそのことを話している人が多かったといいます。ただ、チームのメンバーは多国籍なので、選挙権がある人はあまりいなかったのでは、とのこと。

 

もちろん私たちにも米国の選挙権なんてありません。選挙権は、たとえグリーンカード(永住権)を手にできても得られるようなものではなく、シチズンシップ(市民権)を得ないといけないらしく、これがまたなかなかハードルが高いようです。我々は、日本の夏の参議院選挙にも参加できなかったので(渡米3ヶ月未満の為在外投票の手続きができなかった)、なんだかいろんなことについて、蚊帳の外に置かれている気分です。右傾化していく世界に対して、何もできないという。

 

我々のように、大統領選を見守るしかなかった移民は、ものすごい数になるのではと思います。そして、誰もが、この結果にため息をついたことでしょう。カナダの移民局のサーバーがダウンしたというし。「トランプが大統領になったら、日本帰国を本気で検討しないといけない」と夫が言っていましたが、それが現実のものとなってしまいました。それだけでなく、アメリカ国民の8年間に及ぶオバマ政権へのアンチテーゼをひしひしと感じる結果となったと思います。結局、アメリカってそういう国なんだよね、と思わずにはいられません。

 

外国人は外国人でも、観光客と移民は、全く違います。観光客は純粋にお金を落としていってくれる存在ですが、移民は、極端な言い方をすれば、国内で富を奪い合う競争相手です。アメリカにはたくさんのチャンスがあって、様々な国から、知識と経験やスキルを持つ人材が集まってきては、ビジネスを成功させ、良い暮らしをしている。一方で、取り残された人達は、自分たちはアメリカ人で、白人で、男性なのに、どうしてこんなにみじめな生活をしているのか、という行き場のない怒りを抱えていて、そういうものが移民とかマイノリティとかに現に向かっているということが恐ろしいと思います。

 

アメリカ国内では、アンチトランプのデモが起こっているそうですが、アメリカ国民がするべきことは、決まった後に抗議することではなかったはず。どうせヒラリーでしょって楽観視して投票しなかった人たちがたくさんいたはず。どんなに誰が反対しようが、トランプが正当な民主主義の手続きを経て選ばれたアメリカ国民の代表である大統領であることは揺るぎません。だから、この結果をアメリカ人一人一人が受け入れて欲しいなあと思います。

 

アメリカの大統領とは、どこかの国のように、地方と都市部の1票の格差が違憲状態であることを放置して居座っている与党の代表とは違うのです。

 

いや、もっとはっきりとした問題があります。今回の大統領選で、日本人の多くは「アメリカ人はバカな選択したよね〜」と嘲笑っているかもしれないけれど、全然ひとのことを笑っている場合ではないと思います。日本人だって、今の首相は相当ヤバイ、と良識ある人たちは(「反知性主義」って言われているんですよ?)言っていても、結局参院選で与党の圧勝を止められなかったわけです。私は都議会の女性蔑視の野次を何度でも蒸し返すつもりだし、絶対に忘れない。ヘイトスピーチもしばらく野放しにしていましたよね。それだけではない問題もたくさんあります。そういうのに何の疑問も持たずに「まあ、安倍さんなら景気良くしてくれそうだし〜」とか与党支持を新橋の街頭インタビューで答えている人なんかに代表される人たちは、「トランプなら何とかしてくれる!」と支持していた人たちと同じレベルだと思いました。

 

今回の米国大統領選は、自分も含めた日本人が「ひとの振り見て我が振り直せ」という言葉を思い出すきっかけになったと思います。

日本に一時帰国してきました。

先月まで、日本に一時帰国してきました。

約2週間の滞在の中で、事務的な手続きをいくつかこなさなくてはならず、なかなか慌ただしい日々でした。東京の家ももうないので、夫の実家にいた数日以外はホテル暮らしです。

関東周辺の夫の親族に会うので精一杯で、自分の実家(関西方面)へは帰らないことにしていました。5月に帰ったばかりでもあるので。今思えば、あのとき急遽でしたが帰っておいてよかったなと思います。

ただ、東京に住んでいる姉と姪っ子達に20分程度ですが会うことができ、期せずして母親に東京で会って食事まですることができたので、あと会っていないのは父親だけとなりました。また来年、下の子が5ヶ月くらいになったらゆっくり帰ろうと考えています。ていうか絶対に帰ります!欲を言えば1ヶ月くらい。実家に帰れば滞在費0円だし…。

 

さて、ほんの4ヶ月ぶりではありますが、一時帰国した日本(主に東京)でいろいろと感じたことがありました。

 

何でもおいしい!!

何はさておき、楽しみにしていたのは「食」でした。もう、特につわりの間中、日本で食べられるものの数々を夢見ていました。つわりが晴れてからは実際に食欲も出てきたので、食べ物のことしか考えられませんでした。コンビニで何気なく売られているものですら、その一つ一つが感動の美味しさなのです。今回の帰国では、食に関してだけは、「我慢」という言葉を忘れよう、と夫と誓い合って臨みました。その結果、寿司屋に4回行くなど大満足できました。その他、絶対に食べたかった・食べてよかったものを以下に列挙しておきます。

  • セブンイレブンのサラダ巻き・サンドイッチ・パスタ・デザート等
  • 吉野家の牛丼(あたま大盛り・生卵!)
  • 餃子の王将(何食べても美味しい)
  • 家系ラーメン
  • うな重
  • 焼肉
  • すき焼き(生卵!)
  • ホテルで懐石ルームサービス
  • ちゃんとしたお寿司やさんのお寿司
  • まぐろ好きには有名なお店のまぐろ丼

※生卵も、アメリカ(海外?)では食べられないものの一つ。

 

寿司天国

今回、寿司屋に計4回行ったわけですが、こんなに寿司に飢えていたのには、理由があります。今どき、「SUSHI」は世界中で愛され世界共通語となっており、もちろん在住市内外近郊でも美味しいと言われているお店は何軒かあります。

しかし、アメリカでは、妊婦の寿司(というか生魚)は、生肉と同様に禁止されているのです!これは、日本ではほとんど見られないらしい「リステリア」といわれる細菌が、母体を通して胎児にも感染することがあるらしいからだそうです。

日本では、マグロの摂取量のみ指導されていたと思うので、日本に行けば安全な美味しいお寿司を食べられるということだと考えました。本当に、気兼ねなく、豊富なネタ(特に青魚)のお寿司が食べられることの幸せを、お寿司と一緒に噛み締めた2週間なのでした。

 

日本で絶対にしたかったこと

1.美容院でのヘアカット

子どもを車に乗せて切ってくれるところで、親も切りました。娘をザクザクカットから解放してあげられたし、私も前髪ができて少し若返ったようです。

2.NHKスタジオパーク見学

子どものためのお出かけがあまりできなかった中で、なんとか行きました。娘がすごく喜んでいて、それまで興味が薄かった「みいつけた!」のコッシーの実物大人形と写真が撮れたので、大好きになったようです。

3.免税品ショッピング

最低金額が5000円からのところが多いので、ある意味爆買いせざるを得ませんでした。

※消耗品と耐久品は別計算なので注意が必要です!

4.シン・ゴジラ鑑賞

日本で、日比谷で、観られてよかった!でも、丁度全米公開もしていたので、アメリカで観たかった気もしました。

※ホテルの託児所を利用

 

日本人離れ?

今回、日本に帰って初めて、外国人に間違えられまくるという経験をしました。ホテルだけでなく、飲食店でも…。従業員の人に、まず英語で話しかけられてしまうのです。「Two? Or, one?」て、日本に帰ってきたんじゃ…?荷物を最小限に抑えるために、いつもの普段着しか入れてこなかったため、そのあまりに日本人離れしたスタイル(服装のこと)から到底日本人には見えなかったのでしょう。日本人て、みんなきれいな格好してますよね…。

 

何だかレジで物足りない…?

買い物が緊張せずにできる反面、何の会話も発生しないことに、少し物足りなさを感じたりもしてしまいました。これが普通だったけれども…。

 

子どもや育児に対する無関心

ひしひしと感じました。間違って平日夕方5時の地下鉄に乗ってしまったところ、優先席の前でも、子どもを抱っこしていても、ベビーカーたたんで持っていても関係なくもみくちゃにされた夫…。お腹の既に大きい私は一足先に座れたものの、誰も席を譲る気配がないのは、さすが日本だなと思いました。アメリカでは、絶対に誰か手伝ったり譲ったりしてくれます。サングラスかけて音楽きいてるお兄ちゃんでも。これにはいつも感動します。

 

日本=テーマパーク?

日本は、本当に素晴らしい国で、食、買い物、エンターテイメント、どれも質が高くてサービスも良いです(チップ払わなくても当然のようにやってくれるところが本当にありがたい)。

ただ、夫曰く、これはテーマパーク的な楽しさなのではないか。つまり、どれもが非現実的な世界であるから楽しめるのであって、自分が仕事をして、子育てをしながら生きていく世界だとは思えない、と感じたというのです。

なるほどそういう考え方もあるのかなあ、と思いました。少なくとも夫は、自動車通勤できて、仕事の仕方も自由なアメリカの方が合っているようだし、楽しそうです。

私の方は、よくわかりません。アメリカは、言葉に不自由なことには変わりないし、日本で普通にできていたことも10倍くらい労力が必要だし、日本が好きだし、日本語が好きだし、日本文化が好きです。でも、アメリカの生活が苦痛で仕方なくて1分1秒でも早く日本に帰りたい、というほどでもないのです。今必死に適応、というか、何とか楽しく生きていけないか、模索している状態です。日本にいたら味わわなくて済むような嫌な思いもします。でも、異文化という自分にとっての非常事態が、自分を成長させている気がするし、それは家族にとってもいい事なのかもしれない、と思い始めています。

 

まだ数ヶ月しか日本を離れていないのに、何だかいろいろと、自分自身も変化したのかなあ、と考えさせられた一時帰国でした。

 

日比谷のゴジラ

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出生前診断のこと

第3回目の妊婦健診は、日本でいう出生前診断をしました。アメリカ、というか、在住州では、特別拒否しない限り、基本的にみんな受けるようです。

これが、ちょっといろいろあったので書き残しておこうと思います。

ちなみに、3年前に日本で妊娠した時は、出生前診断は希望制で、「希望する人は14週までに申し出てください」という張り紙が貼ってあるのみで医師から何の案内もありませんでした。完全に自己責任、という感じです(高齢出産やハイリスクの人が優先なんだと思います)。初めての妊娠で不安もあったので、思い切って出生前診断を受けたい旨を申し出ると、「もう予約で枠がいっぱいで受けられません」と言われました。「受けたいのに受けられないとかあるのか…」とびっくりしたものです。病院も積極的にやりたくはなさそうでした。結局、他のクリニックで受けられることを突き止め、そこで受けました。これは「母体血清マーカーテスト」と呼ばれるものだったと思います。結果として余計不安になった瞬間もありました。でも、この検査は可能性しか結果が出てきません。例えば「400分の1」と出たとして、平均よりちょっと高めだったとしても「400回自分が妊娠して、そのうちの一人の子どもが病気を持つ可能性がある」ということだと考えるようにしました。「400人に一人」と思ってしまうと、何だか自分が当たりそうな気がしてきますが、自分が400回妊娠すると考えるとありえないような気がしてくるから不思議です。結局羊水検査は受けませんでした。羊水検査は100%で結果が出るものの、流産の可能性も出てくるからです。日本で誰もが受けやすい出生前診断は、この「母体血清マーカーテスト」と、「羊水検査」だったと思います。

 

さて、話は戻って9月末のある日。この日はエコー(ultrasound)と血液採取をする予定、と言われていました。

日本ではなかなか受けられない(できる技術を持つ人が少ない)超音波による出生前診断を受けることができるのです。こんなにも何気なく。今は日本はどうなのでしょうか。この検査は「胎児超音波スクリーニング検査」とも呼ばれ、ダウン症特有の首の後ろのむくみがないかどうかを超音波で見るものだそうです。

妊娠判定してくれた技師さんが、また見てくれました。ところが、胎児の姿勢のせいだったり、動きすぎるせいだったりで、なかなか良い画像がとれないようです。「膀胱をいっぱいにしてみたいので、このコップ(マックのLサイズ級のカップ)に2杯の水を飲んで、15分後に見ます」というようなことを言われました。「2杯ですか!?」と確認しましたが、聞き間違いではありませんでした。膀胱が一杯なまま、お腹の上をグリグリされて、またお手洗いに行ってからもしばらく見ましたが、やはり良い画像が撮れませんでした。その日は金曜日で夫も付き添ってくれましたが、今日はだめなので3日後にまた来て欲しいと言われ、さすがに夫もそんなに休めないので一人で行くことになりました。3日後に血液採取も行うとのことで、この日は帰りました。とても疲れました。

3日後、Uberで病院へ到着。この時、通訳の人を頼めば良かったと後悔。にっちもさっちもいかなくなったら電話通訳もあるだろうと自分を落ち着かせて産科へ向かいます。さて今回はうまく行くかどうか…と思っていたら、早速技師さんの渋い表情。態勢を変え、少し時間を置き…としながら30〜40分程経過したところで、「同僚の他の技師を呼んできます、彼女の方が上手だから」というようなことを言われてしばらく待つと、若い女性が登場しました(最初の技師さんも女性)。おそらく本当に上手なのだと思います。ものの5分程でうまく撮れたらしく、「Congratulations!!」二人の拍手に包まれました。よくわからないけれど、よかった。「難しい技術なのでしょうね(日本ではできる人が少ないから、と言いたかったけれどそこまで伝えられなかった)」と言うと、「たまたまですよ」という感じで謙遜していました。先輩の前だからだろうなあ。アメリカ人も謙遜するんだなあと思った瞬間でした。

 

実はまだ話に続きがあります。この日、血液採取も行いました。すると、週末になってから電話に着信がありました。滅多に自分の携帯にはかかってこないので、だいたい間違い電話なのですが、日曜日にもかかってきたので思い切って「Hello.」と出てみると、何と担当医師からでした。日本語で話せるのでよかったです…。ところが、その内容が、この前の血液検査の結果、年齢の割に胎児の病気の可能性が高めに出ているので、念のため別の血液検査を受けてはどうかというものでした。それを受けると、99%病気の有無がわかり、血液を採取するだけなので羊水検査のような流産のリスクもないとのことです。ちょっとショックで混乱しましたが、検査をお願いすると、また月曜に病院へ行くことになりました。(ちなみに首の後ろのむくみは陰性の範囲内だったそうです)

この2回目の血液検査が、日本で「新型出生前診断」と言われているもののようです。母親の血液から胎児の染色体を取り出して、13番目の染色体異常(13トリソミー)、18番目の染色体異常(18トリソミー)、21番目の染色体異常(21トリソミー•ダウン症)の可能性をみるそうです。あと、染色体を分析するので、男女の性別も正確にわかるため、血液採取の時に「性別を知りたいか」ともきかれました。

もし日本だったら、限られた病院でしかこの新型の検査は受けられないので(そしておそらくお金を出せば受けられるようなものではない)、羊水検査をするかしないか決断することになったのだと思います。してもしなくてもリスクのある検査…。住んでいる国が違うだけで、妊娠一つとってもこれだけ差があるなんて…。アメリカで産むことにしてよかった…と(初めて)思えた瞬間でした(超音波検査もありがたかったですが)。あと、この検査の費用が100〜200ドルで、日本は10倍するそうです(約20万円)。もちろんアメリカの方が良いことばかりではありません。やっぱり日本人として、日本の方が何でも安心できるのは言うまでもありません。でも、そう思えたことによって少しですが不安の勝る心のバランスが取れたように思います。

さてまた月曜日になんとか採血を終えて(やはりUberを利用)、待つこと1週間。動きや心音などからもおそらく大丈夫だろうと言われたものの、気楽にと思っていてもそわそわしてしまいます。「覚悟」というものは、実のところありませんでした。結果が出てから考えよう、ということにしていました。なぜなら、その立場になってみないと、自分ですら自分がどう思うかなんて、わからないからです。次の月曜日に、担当医師から電話がありました。「少しでも早く良いお知らせをしようと思いまして」と、言っていただけました。

 

長くなってしまいましたが、このようにここのところ不安な日々を送っていました。そして、今週その心の曇りが晴れると同時に、つわりも収束してきました。食欲が戻ってきたので、これから体重増加に気をつけたいと思います。実はまもなく日本へ一時帰国の予定です。食べ過ぎてしまうとは思うのですが、美味しいものが食べられると思うと、今からワクワクが止まりません。

 

 

 

 

2歳になってからの1ヶ月

前回の投稿では、皆様からの暖かいスターやコメントを頂き、本当にありがとうございました。気分の悪い日々の励みにしていました。思い切って書いてよかったなと思っています。まだ安定期ではないので、気をつけて、日々送りたいと思います。

 

少し時間が経ってしまいましたが、2歳になってからの娘の成長を記録しておきます。

 

好きなDVD

 「にほんごであそぼ たっぷり」と、日本の100均で買った「ダンボ(タイトル画面が「ダソボ」になっている)」がお気に入りで、毎日のように観ていました。

「吾十有五にして学に志す〜」などと2歳になったばかりの我が子が歌い始めると、元国語教師としては嬉しい気持ちもある反面、「これでは山手線の駅名言える子どもと変わらないから、いずれちゃんと意味を教えてあげるようにしないといけないな…」と思いました。

ダンボ」は、親になって観てみると涙が止まらない作品なのですが、「Dumbo」とはよく聞いたらひどい名前で、日本語音声で観ると、名前の由来が、「耳がダブダブのダンボ」(意地悪な象の言葉)となっているのですが、英語だと明らかに「damn」(英語で罵るときの言葉。神が人を罰するという意味があるらしい。)からきています。←※熱心な読者の方(夫)から、「dumb」(ばかな、頭の悪い)から来ているんじゃないかというご指摘を頂きました。スペルから見てそうだと思います。英語のできない人間が英語を語るとこういうことになるという好例ですね。

因みに、母親のJumboは子どもの名前を、「Jumbo Junior」とちゃんと名付けていたことが冒頭でわかります。

山場がピンクの象の行進、というのもどうなんだろう、と疑問です。当時から考えるとあのシーンに並々ならぬ技術と、情熱が傾けられていることには間違いないのですが、でもあれ、明らかにアル中患者の幻覚です。象とはいえ、幼児の飲酒が描かれているのも、今だったら考えられないような…。時代なのかなあ。(ピノキオは人間の幼児の飲酒喫煙で更にびっくりしました…)

まあ、うちの子はあのピンクの象のシーンが特に好きなのですが。そしてこの私も、あの場面が小さい頃好きだったのを覚えています…。ダンボが大きな泡を鼻から出すと、「はっじまるよー」と娘は言います(笑)。ダンボもかわいいんですけれど、いろいろ考えてしまいました。でも本当に泣けます。

イヤイヤの状況

以前、うちの子のイヤイヤは大したことないのではないか、と書いたのですが、よく考えたら半年前から一言目には「イヤ」と言っていました。頭の中で「ハイ」のことだと勝手に変換していたので、あまり気にしていませんでした…。

高校生の強烈な「イヤ」を10年間見てきた我が身としては(言い過ぎかな?いや、言い過ぎではない)、娘は言ってきかせればやってくれることが多いし、最終的にはこっちの方が腕力があるので抱っこで連れて行くなどもできるので、うちの子はまだまだ楽だと思います。

他には、「ダメだよ」と言われたり、自分の要求が通らないと、突っ伏して泣いてみたり、変な顔(白目?)をするようになりました…。

泣き叫んで駄々をこねることももちろんあります。暴れる力も強くなってきて、身動きが取れなくなることもあります。だんだん、幼児らしくなってきました。

痛い

少し転んだり、ぶつかったりした時、「痛い」と言うだけで泣くことがほとんどなくなりました。子どもってこんなものだっけ、と不安になるくらいです。

先日、インフルエンザの予防接種を受けたところ、ベッドに寝転がせて、親が覆いかぶさり太ももに注射するというやり方でまたカルチャーショックを受けたのですが、やはり「痛い!」と一回言っただけで、暴れも泣きもしませんでした。同時に受けた夫の方が後々まで「痛かった〜」と言っていたくらいでした。腕の方がやっぱり痛いのでしょうか。ちなみに、保険でカバーされていたらしく、お金を払うことはありませんでした。

だから、痛くて泣く時は深刻なので、見た目は大したことがなくても、慎重にみてみる必要があります。先日は椅子から滑り落ちてアゴが痛いと言うので口を開けさせたら舌に血が滲んでいたということがありました。

お絵かきの進化

ある日、娘が「あ!うーたんだ!うーたん!」と叫んでいて、何かと思ったらうーたんを描けたらしいのです。↓(頭のボンボンが分離?)

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それまでも、「おめめ〜」「おくち〜」などと言いながら何やら描いてはいたのですが、この頃から顔の形に描くようになってきました。↓(宇宙人?)

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あと、母親に描かせた絵の上を、大胆に塗りつぶしてくれたりします(泣)。

父ちゃん大好き

歯磨き、着替えなどをたまに「父ちゃんが!」と言ってご指名します。お父さんが帰ってくると、大好きな風船をまず持って行ってプレゼントしています。必ず毎回。父ちゃん登り(両手を向かい合って繋いで、娘が足で父親を登っていく)や、豚の丸焼き、逆さ吊り、など、アクロバティックな遊びをしてくれるのが楽しいのでしょうね。

「あのね、いまから、父ちゃんかいてるの」

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今でもよく歌う替え歌↓

「あめあめふれふれ 父ちゃんが〜蛇の目でお迎え父ちゃん〜ピッチピッチチャップチャップ父ちゃあ〜ん〜」

「ぞ〜さんぞ〜さんだ〜れが好きな〜の、あ〜のね、父さんが好きなのよ〜」

父ちゃん好きすぎ。

身体的成長

外面的な成長はゆるやかになって、あまり変化がないように感じますが、数ヶ月前の写真と比べると、体型がすっきりしてきて顔が更に大人になっているな、と感じます。

 

今後の成長記録はふた月くらいまとめてもいいかな、と思っています。できることも増えていくので書きたい気持ちはあるのですが。他のこともいろいろ書きたいものが溜まっていて…なかなか記事にできません。体調もよくなってきたので、これからはもう少し書けるかなあ。

授かりました。

このブログは、私の心情吐露、ストレス発散も兼ねているので、今回書くことについては周囲にまだ伝えていない人もいるし、これからどうなるかもわからないし、書こうかどうか迷いましたが、書こうと思います。

実は、第二子を授かりました。

つわりが、娘の時よりもひどい気がして、でもそれを言う相手も限られているし、慣れない環境の中なので、だんだん鬱々としてきてしまい…。

自分のために、独り言として書きたいと思います…。

もうかれこれ2ヶ月間、ずっと気持ち悪い状態です。ここ数日は少し良くなってきました。本当につわりがひどい人から見たら自分なんて楽勝レベルの辛さなのではとは思うのですが…。

不妊治療

そもそも私は、一人目も不妊治療をしていて、クロミッドという排卵誘発剤を飲んでいました。仕事もあったので、なかなか病院に通えず、結婚後7年経ってようやく娘に恵まれました。

排卵機能が弱いらしいので、二人目も治療は必要だろうと思い、娘が1歳過ぎた頃からまた飲み始めました。渡米が決まってしまい、日本でギリギリまで病院へ通いましたが、「アメリカでも通うのは腰が重いなあ」(まあ、日本より進んでいそうだけれど…)と思っていたところ、この度授かることができました。本当に、待ち望んだ、二人目だったのです。

とはいえ、言葉が不自由な中、不自由な身体になることに不安も多く、気持ちが前に向いていかない毎日でした。夫が付き添ってくれるとはいえ、病院も毎回緊張します…。(幸い、日本人の優秀な女性の産婦人科医さんを見つけ、みていただいていますが、受付とか、他の人は普通に英語環境です)

つわりの新旧比較

毎回異なり、人によっても千差万別と言われるつわり。どう違ったのか、思い出してみます。(個人的な気休めです)

旧(娘の時)

  • 完全な食べづわり
  • 食べている時は幸せ
  • 2限目の後などにロッカー室であんぱん食べた思い出(自席での間食は禁止のため)
  • 日中の仕事中は緊張感もありそれほど気にならない
  • 朝一番以外は大丈夫で電車で普通に立って通勤
  • 夕方以降体調が悪化
  • たいてい外食の夕食後が一番気分が悪かった
  • よく食べたもの…サラダ巻き、サンドイッチ、グレープフルーツ、炭酸水

新(第二子)

  • 最初の2週間は食べづわり
  • 胸焼け?(heart burn と言うらしい、食道が焼けるようになる)
  • メインは吐きづわり(吐き気のみ)
  • 食事の量が激減
  • 体重減(これは憧れだった)
  • とにかく疲れやすく横になっていたい
  • 色々なにおいが気になる
  • こってりした食事がダメ
  • とにかく和食が食べたい!だし!しょうゆ!みそ!
  • よく食べたもの…カリフォルニアロール、味噌汁、ごはん、おひたし、ゼリー、アイスクリーム、ヨーグルト、シリアル、ジュース

おわりに

吐きづわりの時の方が食べているものが多そうですが、食べづわりの時はあまり内容を限定しなくても割と何でも食べられました。ただ、私の場合、新旧通して、唐揚げやプライドポテトなどの揚げ物が無性に食べたくなるということは無く、むしろ気分が悪くなったので、そこのところは救いでした。

まだまだこれからはどうなるかわかりませんが、明日は3回目の健診に行ってきます。

 

すっかり秋の散歩道

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