国語の教員でしたが、アメリカで子育て始めます。

高校の国語科教員を退職し、1歳の子どもを連れて、アメリカで生活を始めました。英語から最も遠い職業だった私の、渡航から英語の学習、米国での生活、子どもの教育等を綴ります。現在、子ども2歳。4月に下の子を出産予定。

大統領……

やっぱり、このことに触れないわけにはいきません。米国に住んでいる身として。

 

選挙の翌日は、夫の職場でもそのことを話している人が多かったといいます。ただ、チームのメンバーは多国籍なので、選挙権がある人はあまりいなかったのでは、とのこと。

 

もちろん私たちにも米国の選挙権なんてありません。選挙権は、たとえグリーンカード(永住権)を手にできても得られるようなものではなく、シチズンシップ(市民権)を得ないといけないらしく、これがまたなかなかハードルが高いようです。我々は、日本の夏の参議院選挙にも参加できなかったので(渡米3ヶ月未満の為在外投票の手続きができなかった)、なんだかいろんなことについて、蚊帳の外に置かれている気分です。右傾化していく世界に対して、何もできないという。

 

我々のように、大統領選を見守るしかなかった移民は、ものすごい数になるのではと思います。そして、誰もが、この結果にため息をついたことでしょう。カナダの移民局のサーバーがダウンしたというし。「トランプが大統領になったら、日本帰国を本気で検討しないといけない」と夫が言っていましたが、それが現実のものとなってしまいました。それだけでなく、アメリカ国民の8年間に及ぶオバマ政権へのアンチテーゼをひしひしと感じる結果となったと思います。結局、アメリカってそういう国なんだよね、と思わずにはいられません。

 

外国人は外国人でも、観光客と移民は、全く違います。観光客は純粋にお金を落としていってくれる存在ですが、移民は、極端な言い方をすれば、国内で富を奪い合う競争相手です。アメリカにはたくさんのチャンスがあって、様々な国から、知識と経験やスキルを持つ人材が集まってきては、ビジネスを成功させ、良い暮らしをしている。一方で、取り残された人達は、自分たちはアメリカ人で、白人で、男性なのに、どうしてこんなにみじめな生活をしているのか、という行き場のない怒りを抱えていて、そういうものが移民とかマイノリティとかに現に向かっているということが恐ろしいと思います。

 

アメリカ国内では、アンチトランプのデモが起こっているそうですが、アメリカ国民がするべきことは、決まった後に抗議することではなかったはず。どうせヒラリーでしょって楽観視して投票しなかった人たちがたくさんいたはず。どんなに誰が反対しようが、トランプが正当な民主主義の手続きを経て選ばれたアメリカ国民の代表である大統領であることは揺るぎません。だから、この結果をアメリカ人一人一人が受け入れて欲しいなあと思います。

 

アメリカの大統領とは、どこかの国のように、地方と都市部の1票の格差が違憲状態であることを放置して居座っている与党の代表とは違うのです。

 

いや、もっとはっきりとした問題があります。今回の大統領選で、日本人の多くは「アメリカ人はバカな選択したよね〜」と嘲笑っているかもしれないけれど、全然ひとのことを笑っている場合ではないと思います。日本人だって、今の首相は相当ヤバイ、と良識ある人たちは(「反知性主義」って言われているんですよ?)言っていても、結局参院選で与党の圧勝を止められなかったわけです。私は都議会の女性蔑視の野次を何度でも蒸し返すつもりだし、絶対に忘れない。ヘイトスピーチもしばらく野放しにしていましたよね。それだけではない問題もたくさんあります。そういうのに何の疑問も持たずに「まあ、安倍さんなら景気良くしてくれそうだし〜」とか与党支持を新橋の街頭インタビューで答えている人なんかに代表される人たちは、「トランプなら何とかしてくれる!」と支持していた人たちと同じレベルだと思いました。

 

今回の米国大統領選は、自分も含めた日本人が「ひとの振り見て我が振り直せ」という言葉を思い出すきっかけになったと思います。