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国語の教員でしたが、アメリカで子育て始めます。

高校の国語科教員を退職し、1歳の子どもを連れて、アメリカで生活を始めました。英語から最も遠い職業だった私の、渡航から英語の学習、米国での生活、子どもの教育等を綴ります。現在、子ども2歳。4月に下の子を出産予定。

出生前診断のこと

第3回目の妊婦健診は、日本でいう出生前診断をしました。アメリカ、というか、在住州では、特別拒否しない限り、基本的にみんな受けるようです。

これが、ちょっといろいろあったので書き残しておこうと思います。

ちなみに、3年前に日本で妊娠した時は、出生前診断は希望制で、「希望する人は14週までに申し出てください」という張り紙が貼ってあるのみで医師から何の案内もありませんでした。完全に自己責任、という感じです(高齢出産やハイリスクの人が優先なんだと思います)。初めての妊娠で不安もあったので、思い切って出生前診断を受けたい旨を申し出ると、「もう予約で枠がいっぱいで受けられません」と言われました。「受けたいのに受けられないとかあるのか…」とびっくりしたものです。病院も積極的にやりたくはなさそうでした。結局、他のクリニックで受けられることを突き止め、そこで受けました。これは「母体血清マーカーテスト」と呼ばれるものだったと思います。結果として余計不安になった瞬間もありました。でも、この検査は可能性しか結果が出てきません。例えば「400分の1」と出たとして、平均よりちょっと高めだったとしても「400回自分が妊娠して、そのうちの一人の子どもが病気を持つ可能性がある」ということだと考えるようにしました。「400人に一人」と思ってしまうと、何だか自分が当たりそうな気がしてきますが、自分が400回妊娠すると考えるとありえないような気がしてくるから不思議です。結局羊水検査は受けませんでした。羊水検査は100%で結果が出るものの、流産の可能性も出てくるからです。日本で誰もが受けやすい出生前診断は、この「母体血清マーカーテスト」と、「羊水検査」だったと思います。

 

さて、話は戻って9月末のある日。この日はエコー(ultrasound)と血液採取をする予定、と言われていました。

日本ではなかなか受けられない(できる技術を持つ人が少ない)超音波による出生前診断を受けることができるのです。こんなにも何気なく。今は日本はどうなのでしょうか。この検査は「胎児超音波スクリーニング検査」とも呼ばれ、ダウン症特有の首の後ろのむくみがないかどうかを超音波で見るものだそうです。

妊娠判定してくれた技師さんが、また見てくれました。ところが、胎児の姿勢のせいだったり、動きすぎるせいだったりで、なかなか良い画像がとれないようです。「膀胱をいっぱいにしてみたいので、このコップ(マックのLサイズ級のカップ)に2杯の水を飲んで、15分後に見ます」というようなことを言われました。「2杯ですか!?」と確認しましたが、聞き間違いではありませんでした。膀胱が一杯なまま、お腹の上をグリグリされて、またお手洗いに行ってからもしばらく見ましたが、やはり良い画像が撮れませんでした。その日は金曜日で夫も付き添ってくれましたが、今日はだめなので3日後にまた来て欲しいと言われ、さすがに夫もそんなに休めないので一人で行くことになりました。3日後に血液採取も行うとのことで、この日は帰りました。とても疲れました。

3日後、Uberで病院へ到着。この時、通訳の人を頼めば良かったと後悔。にっちもさっちもいかなくなったら電話通訳もあるだろうと自分を落ち着かせて産科へ向かいます。さて今回はうまく行くかどうか…と思っていたら、早速技師さんの渋い表情。態勢を変え、少し時間を置き…としながら30〜40分程経過したところで、「同僚の他の技師を呼んできます、彼女の方が上手だから」というようなことを言われてしばらく待つと、若い女性が登場しました(最初の技師さんも女性)。おそらく本当に上手なのだと思います。ものの5分程でうまく撮れたらしく、「Congratulations!!」二人の拍手に包まれました。よくわからないけれど、よかった。「難しい技術なのでしょうね(日本ではできる人が少ないから、と言いたかったけれどそこまで伝えられなかった)」と言うと、「たまたまですよ」という感じで謙遜していました。先輩の前だからだろうなあ。アメリカ人も謙遜するんだなあと思った瞬間でした。

 

実はまだ話に続きがあります。この日、血液採取も行いました。すると、週末になってから電話に着信がありました。滅多に自分の携帯にはかかってこないので、だいたい間違い電話なのですが、日曜日にもかかってきたので思い切って「Hello.」と出てみると、何と担当医師からでした。日本語で話せるのでよかったです…。ところが、その内容が、この前の血液検査の結果、年齢の割に胎児の病気の可能性が高めに出ているので、念のため別の血液検査を受けてはどうかというものでした。それを受けると、99%病気の有無がわかり、血液を採取するだけなので羊水検査のような流産のリスクもないとのことです。ちょっとショックで混乱しましたが、検査をお願いすると、また月曜に病院へ行くことになりました。(ちなみに首の後ろのむくみは陰性の範囲内だったそうです)

この2回目の血液検査が、日本で「新型出生前診断」と言われているもののようです。母親の血液から胎児の染色体を取り出して、13番目の染色体異常(13トリソミー)、18番目の染色体異常(18トリソミー)、21番目の染色体異常(21トリソミー•ダウン症)の可能性をみるそうです。あと、染色体を分析するので、男女の性別も正確にわかるため、血液採取の時に「性別を知りたいか」ともきかれました。

もし日本だったら、限られた病院でしかこの新型の検査は受けられないので(そしておそらくお金を出せば受けられるようなものではない)、羊水検査をするかしないか決断することになったのだと思います。してもしなくてもリスクのある検査…。住んでいる国が違うだけで、妊娠一つとってもこれだけ差があるなんて…。アメリカで産むことにしてよかった…と(初めて)思えた瞬間でした(超音波検査もありがたかったですが)。あと、この検査の費用が100〜200ドルで、日本は10倍するそうです(約20万円)。もちろんアメリカの方が良いことばかりではありません。やっぱり日本人として、日本の方が何でも安心できるのは言うまでもありません。でも、そう思えたことによって少しですが不安の勝る心のバランスが取れたように思います。

さてまた月曜日になんとか採血を終えて(やはりUberを利用)、待つこと1週間。動きや心音などからもおそらく大丈夫だろうと言われたものの、気楽にと思っていてもそわそわしてしまいます。「覚悟」というものは、実のところありませんでした。結果が出てから考えよう、ということにしていました。なぜなら、その立場になってみないと、自分ですら自分がどう思うかなんて、わからないからです。次の月曜日に、担当医師から電話がありました。「少しでも早く良いお知らせをしようと思いまして」と、言っていただけました。

 

長くなってしまいましたが、このようにここのところ不安な日々を送っていました。そして、今週その心の曇りが晴れると同時に、つわりも収束してきました。食欲が戻ってきたので、これから体重増加に気をつけたいと思います。実はまもなく日本へ一時帰国の予定です。食べ過ぎてしまうとは思うのですが、美味しいものが食べられると思うと、今からワクワクが止まりません。